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ー空間ー220
今までは各科に分かれていたのだから、そんなに人の多さを感じなかったのだが、会計する場所では、その今まで分かれていた人たちが一斉に集まってくる場所だ。 また、そこでも待たされるのであろう。
確かに総合病院だけあって、会計をする窓口はたくさんあるのだが、それでもあまり回っていないように思える。
「ここもなのか?」
「ん……まぁ、そうやんな……」
人が立って会計に向かったと思ったら、またすぐに人が来る。 会計の所もロビーとあまり変わらない感じがする。 もっともっといい方法はないのであろうか? と望は思っているのだが、現実問題として何もいい考えはない。
そして会計を済ませてからも薬局に向かうのだから、ここも同じようなもんだ。 今の時代というのは、薬に関して患者さんが納得するような説明をしなきゃならないのだから、一人につき二、三分は掛かってしまうだろう。
今まで患者さんの立場になって病院内を見たことがなかった。 だが、今日雄介について来て初めて分かったような気がする。
やはり何もいい考えが浮かばないのだから現状維持じゃないとダメなんだろう。
やっと薬局でも雄介の番になり、駐車場に向かう頃にはお昼を完全に過ぎていた。
「なぁ、これから、どないする?」
雄介はそう助手席へと乗り込むと、望にそう声を掛ける。
「ああ、まぁ、そうなんだよなぁ。 時間の方がもう微妙なんだよな? 後はもう飯食って……」
そう急に望は言葉を詰まらせた。
もう今日は十五時の飛行機で望は東京へと向かわなければならない。 そう、もう雄介と別れる時間が刻々と迫ってきていることに気付いたようだ。 本当に夢のような時間というのは早く過ぎていってしまうような気がする。 とりあえず、この三日間、本当に色々なことはあったのだが、十分過ぎるほどに楽しんだ。 ここで、この夢のような時間は一旦おしまいになる。
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