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ー雪山ー2

 和也は「露天風呂」という言葉を何故か強調して言うのだ。 「ふーん……そうか……望は『露天風呂』っていうキーワードで何か反応しちまったってことなのかな? 自分的にはそういう何か変な想像しちまったから俺らに怒ったってことか……」  そう意地悪く質問する和也。 「え? 違うって!」 「なら、何で俺らのこと殴ったんだよ」 「そ、それはだな」  和也が言っていた「露天風呂」という言葉に、望は何を想像してしまったのであろうか。 多分、望のことだから、やはり、そこは恋人に抱かれるということを想像してしまったのであろう。 『……ってか、馬鹿なことを想像するんじゃない!』という意味で二人のことを叩いてしまったのかもしれない。 「だから……その……俺の頭の中もお前たちと同じ想像になっちまっただけで……」  そう望は顔を赤くしながら言うのだが、 「俺らと同じこと!? それはどんなことなのかな? まさか、ああいうことじゃねぇよな?」 「当たり前じゃねぇのか? お前たちのことだから、そういうことなんだろ?」 「だから、それがどんなことなんだって? 俺らは聞いてるんだけど?」  和也は望に向かって問い詰める。要はさっき望に叩かれたお返しみたいなもんだ。 「だーかーらー、それはだな……?」  そう言いながら望は視線を天井の方へと逸らしてしまっていた。  それとは逆に和也の方はそんな望にクスクスとしている。 「もー! いいだろうがっ! とりあえず、今は飯食おうぜ!」 「望ー、今のこの話でパスっていうのは無しだぜ。 それにただ俺たちは今望が想像したことを聞いてるだけだしな。 そこに顔を赤くする必要もねぇんじゃねぇのか? だってさぁ、露天風呂っていうのはさ、リラックスできるところっていうだけじゃん! なぁ、雄介ー……」 「せやせや、俺もリラックスするために露天風呂っていうだけでニヤニヤってしておっただけやしな」  そう雄介の方は俯きながら笑ってしまっていた。 今の雄介は和也のノリの方に乗ってしまっているからだ。  本当は和也も雄介も「露天風呂」というキーワードで、もう頭の中ではそれぞれの恋人を抱くということしか頭になかったのだが、望が二人の頭を叩いてきたのだから、その仕返しとばかりに雄介も和也の方に乗ってしまったのであろう。 「そうそう! 俺ら、すっげぇ疲れてるしなぁ。 たまには温泉でも浸かってリラックスしてぇしさ」

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