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ー雪山ー20

 そして望は懐かしい傷を見つけたようで、望はそのお腹にある傷へと触れる。 確かに今望は眼鏡を掛けていないのだが手の触り具合と若干の色の違いで分かっているようだ。 「この傷、懐かしいよなぁ? まだ、俺が告白をお前から受けて答えない前の傷だしな」  雄介は望が押さえている手の上から望の手を支える。 「せやな、ホンマ、あの時は俺の方は終わったって思うとったけど、坂本の方も直ぐに救急車を呼んでくれてたみたいやしな。 それと、望に治してもらった傷っていうんは足かな?」 「ああ! それは、お前が最初に運ばれて来た時の傷だったかな?」 「そうそう! それも坂本の仕業だったらしんやけど、そのおかげで望に会えたんやから、ええか」 「……だな。 で、今、その人は?」 「ん? 坂本の事か?」 「あ、ああ」 「坂本はまだ春坂消防署の方におるんやないかな? 今の現状は知らんで。 俺は今は大阪の方に来てもうたんやし」 「そうか」  その話が切れると雄介は望のパジャマのボタンを外していきながら、はだけさせ首や鎖骨を音を吸い上げる。  今日の望はそれだけでも感じるのか、 「ん……」  そう小さな声を上げると背中まで逸らしてしまっていた。  その望の行動と声に雄介の方は微笑むのだ。  下手でも相手が気持ちよくなってくれれば雄介は嬉しいのだから。  完全に望が着ているパジャマのボタンを外し終えると、雄介は鎖骨辺りから胸の辺りまで舌を這わせて、お腹の方も舐めながら右手で望のお胸の突起を指先で摘む。  それだけでも望の方は感じているのであろう。 体をビクリビクリとさせているのだから。 「ぁ……ぁああん!」  望は体から力を抜いて両肘を曲げて頭の横で軽く拳を握っている姿が、雄介の瞳にも入って来ているようだ。

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