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ー雪山ー27

 口を結んでしまっていてもハッキリと言葉にならないまでも声が漏れてきているのは分かる。 「声、出てもうてるやんか。 意地張らんと声出してきたらええやんか、声出した方が楽になると思うねんけどな」  雄介はそう言うのだが望の方は首を横に振ってしまっている。 「もう、しゃーないな……本気で望に声出してもらいたいし、ほな、指二本目いくな」  雄介はそう言うと望の中に入れている指の数を二本へと増やし動かし始める。  雄介は望の中に指を入れると、その指を縦横無尽に動かし始める。 そしてもう片方の指先の方は胸の突起の方へと運び親指と人差し指でいつもより強く摘む雄介。  その雄介の行為に今日はいつも以上に敏感な望はとうとう我慢出来なくなってしまったのか、今まで結んでしまっていた口を無意識のうちに開いてしまっていた。 そこまで行ってしまったら後は甘い声しか漏れて来ない。 「ん! ぁあ! やぁあああ……」  その望の声に満足した雄介は今度ニヤリとすると、しばらくの間、望の後ろの蕾の中と胸の突起を攻め続けるのだ。 「ぁ……いやぁああん! ぁあああ!」 「今日はもう声出さんって言うてなかったか?」  望の方はそんな風に言う雄介の方に涙目で上げる。 「今日は……ぁあん! ぁ……そこ……ダメぇ……。 今日は……雄介……俺の方が……ぁん……我慢出来ねぇんだよ……」  そのセリフの最初の方は雄介の事をまともに見ていられた望だったのだが、最終的には視線を逸らして恥ずかしそうに言っている。 「ええよ……。 今日はもっと気持ち良くなってもらいたいと思っておるし……」  本当に雄介という人物というのは優しい人間だ。 本来ならば「望の方が今日は負けやんな」と漏らしている所だが、そんな事を望に言ってしまったら、またきっと望の事だ拗ねてしまうのは間違いないとでも思ったのであろう。 だから雄介はそれを敢えて避けて望にはそう言ったのかもしれない。  望だって、その雄介の優しさに惚れているのだから、そこは雄介の方は我慢するところであろう。 もし、そんな事を言ってしまえば、これから先、本当に望とやれなくなってしまったら、それはそれで雄介からしてみたら非常にマズイのだから。

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