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ー雪山ー78

 本当に今日の望には痛い所を突かれているような感じがしているのかもしれない雄介。  確かに望の言う通りでもある。 恋人の事を達かせるなんて朝飯前の雄介なのだが、雄介だって確かに望のそんな姿を見たら我慢なんか出来る訳もなく、その後トイレへと駆け込むのは目に見えているのだから。 「分かった。 今日の望には負けたわぁー、但し、明日は仕事休むんやで……そんな体で行って倒れられたら、俺が悲しむかもしれんって思うてな」 「お前も同じ事が言えるだろ? 絶対に俺を先に置いて死ぬんじゃねぇぞ」 「ん……分かってる。 俺は絶対に先にお前を置いて死なへんから」  その言葉に望は暗心もしたのか雄介に向かって笑顔を向けるのだ。  雄介はそのままの体勢で望の体を撫でると舌も同時に体へと這わせ、そして望の胸の突起を見つけると舌先で胸の突起を舐めて最後には吸い上げるのだ。 「ん……!」  早くも望の口からは甘い声が漏れてきていた。 「今日の望は声上げるの早いんと違うか?」  雄介はそう言いながら望の顔を見上げるのだ。 「だけど……ぁ……すっげぇ……気持ちいいから……」 「……ふーん……そういうもんなんか?」  昨日に引き続き素直な望に雄介は微笑むと、それこそ壊れ物を扱うかのように丁寧に望の体を舐め始めるのだ。 「ん……ぁ……やぁ……」 「なに? どうしたん? 今日は俺の方が望の声聞きたいし、もっと声出してええねんで……特に今日は昨日のように和也とかおれへんしな。 遠慮せんと気持ち良く声出してくれたらええし」  そして雄介は突然、望の顔を見上げて、 「望からキスもっかいして……」  と言う。  すると望は雄介支持に従ってなのか、ただ単に自分が雄介にしたかったのかは分からないのだが望は雄介の唇へと唇を重ね合わせる。 「ん……」  だが望はそのキスだけでは気が済まなかったようだ。  何度も何度も角度を変えてはキスを繰り返している。  部屋内には昨日とは違いチュッという水音が響き渡り聴覚までも刺激される。  恋人とのキス。 柔らかくて温かい唇。 更に恋人達の興奮度は増していくばかりだろう。  望の方は暫くキスを楽しんでいたのだが少し名残惜しそうに雄介の唇から唇を離していくのだ。 「今の望は、めっちゃ色っぽいねんで、まだ、し足りないと違うか?」 「いいんだよ……後がつっかえるだろ?」 「ま、まぁな……そこは、確かに望の言う通りやな……」  そう雄介が答えた直後、急に望の手がスルリと雄介が着ているスウェットの裾部分から入っていく。 どうやら望自ら雄介の服を脱がせようとしているらしい。

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