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ー雪山ー77
確かに雄介は望の事を抱きたい気分は十二分にある。 だが明日からは仕事で、しかも望の今の状況は熱を出している状態なのだから体調が悪い事も分かっているのだから、流石に手を出す訳にはいかない。
望からのお誘いは本当に嬉しい所なのだが、我慢しなきいけない時だってある。
そこはもう雄介だって大人なのだから分かっているところだ。
さっきもだが今日の望は雄介の言葉を一切受け入れてくれないようで、逆に困っているのは雄介の方だろう。
「な、雄介?」
雄介の方はどうにかして今日は断る理由を望の視線から外して考えていると、急に望に話し掛けられ、顔を望の方へと視線を向ける。
「の、望……!? ちょ、何してんねん! 望……ホンマ落ち着けってっ!」
雄介がそう焦ったように言っていたのは、望が既にパジャマの上着を脱いでいたからだ。
そんな望の姿に雄介は更に頭を抱えてしまう。
そこまであの望がやるって事は今日の望は本気なんであろう。
「望、ホンマそれはアカンって! 今の俺にはそこまでの気にはならんしな」
「嘘を吐け! さっき、寝てる俺にキスしようとしてたんじゃねぇのか!? アレとコレでは違うとは言わせねぇぞ!」
本当に今日の望はヤりたいとしか聞こえて来ない。 雄介がこうなんとかやんわりと断ろうとしても今日の望は半分以上強行突破に思える。
「ほなら、望がしたいって言うんやったら、望の事イかせるってだけっちゅうのはどうや?」
「あほっ! お前はそれだけで、満足出来るもんなのか? 満足出来る訳がねぇだろうな。 どうせ、トイレに駆け込むんだったら、ヤっちまった方が楽んじゃねぇの?」
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