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ー雪山ー83

 雄介は苦笑いをしながら懇願するかのように望に向かって手まで合わせてしまっていた。  望は仕方なく、ため息を吐くと、 「雄介がやりたくもないような事しても、こっちは楽しくねぇしな」  その望の言葉に雄介はどれだけ胸を撫で下ろしたのであろうか。  しかも今日の望は本当にいつも以上にとんでもないようなことを言っているような気がする。  今の話望の手が止まっていたのだが、その手が急に動き出し雄介の体もピクリとしてしまう。  だが、それは最初だけで段々ともどかしくなってきているのかもしれない。  本当に望は雄介のズボンの上から雄介のモノを撫でるだけで他には何もして来ない。 だから雄介はもどかしくなってきているのであろう。  確かに十分にズボンの上からでも望にモノを触ってもらっているという行為は気持ちいいのだが、やはりそこは男として直に触れてもらいたいと思っている筈だ。 「な、望……そろそろ、直に触ってくれへん?」 「たまにはお前を焦らすのもいいんじゃねぇのか?」 「……!?」  その望の言葉に言葉を詰まらせる雄介。  今日の望は何処からそんなスイッチが入ってしまったのであろうか。 今日の望はどう考えたってSなような感じがして仕方がない。  雄介は仕方なく、ため息を吐くと今日は望ぺースに合わせることにしたらしい。  雄介が望に焦らされて数分。 「雄介……横になれ。 ズボン脱がせてやる事が出来ないだろ?」 「あ、ああ……へ? あ、せ、せやな……」  雄介はそう命令のような言葉に平静を保たせているようだ。  しかし今日の望は主導権を握っているような感じだ。 主導権が変わってしまうだけで、こんなにも恥ずかしいと思ってなかったことなのかもしれない。  雄介は体をベッドに預けるようにして仰向けになる。  まずは望にズボンを脱がされ、それを望はベッドの下へと落とす。 そしてトランクスまで望の手によって落とされてしまっていた。  しかし今までこういう立場になった事がない雄介。 確かに今日は望にマグロでいいとは言われたのだけど、それはそれで焦れったい。 寧ろ雄介からしてみたら望に触れたくて仕方がないのかもしれない。

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