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ー雪山ー85
雄介の方は体をビクつかせ望が出しているような声が出そうになっているらしい。
だが、そこは男としてなんとしても耐えてみたいところだ。
そんな時、未だに雄介のモノを咥えこんでいる望が言葉を発してくる。
「雄介……声出したいんだろ? 出したいんだったら出せばいいんじゃねぇのか?」
それはいつも雄介が望に言っている言葉で、まさか望がそんな事を言うとは思ってなかったのであろうか。 その言葉に顔を赤くさせているのは雄介の方だ。
それに気付いた望はクスリとし、
「意外だよなぁ。 お前が顔を赤くするなんてさ」
「しゃーないやろ? めっちゃ、恥ずかしいねんから」
「その言葉、俺はお前にいつも言われている言葉だぜ。 だから、今日はいつもの仕返しって事だな……」
そこまで言われてしまうと流石の雄介も言葉がなくなってしまったようだ。
今日は本当に望に言い負かされてしまっているのは気のせいであろうか。
元々、望は頭がいい方だ。 頭脳方面では雄介の方は勝てないと思っていたのだが望のペースに持っていかれると本当にそうだったらしい。
「なぁ? 望……キスくらいはええねんやろ? それに、そればっかやっておると口が疲れてまうと思うで……」
そう上手く望が雄介モノから離れてくれるように、雄介はそういう風に言ってみるのだが果たして望に伝わっているのであろうか。
このままでは本当に望にイかされ兼ねない。 やはり、そこは免れたかったのかもしれない。
「そうだな」
望は雄介にそう言われて、手を顎に当て考えてしまっている。
「ちょ……俺は望にキスしてもらいたいねんけどな?」
そう下手 に言う雄介。
それにそろそろ立場を逆転させたいと思っているのであろう。
確かに今日は望にマグロでいいと言われたのだが、やはり、ここのところそのマグロ状態が続いているのだから、本当にそろそろ立場逆転持ち込みたいところだ。
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