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ー雪山ー87

「望に任せてみたいっていう気もすんねんけど、やっぱりなぁ、俺がマグロやと物足んない気がすんねんな……こうやって、ボッーとしとるのが嫌な性分みたいやわぁ」 「それは嫌だ! 今日は俺がしたい気分なんだよっ!」  本当に望はどうしてしまったのであろうか。 今まで殆ど雄介にリードさせてきた筈なのに今日に限って、いや、ここのところ数回は望も動いているような気がする。 そして、なかなか主導権を渡さそうとしない望。  雄介はそんな望にため息交じりに頭を俯けると後頭部を掻きながら、 「ほんならな、そろそろ自分でココ慣らしてくれへん? そしたら、今日は満足するし」  雄介はその言葉を真っ直ぐ望の目を見て言うのだ。 そしたら望はどんな反応をするのであろうか。 という所も気になる所なんであろう。 「ちょ、な、何言ってんだよ。 まだ俺の方がお前の事気持ち良くさせて上げたいと思っているのにさ」 「……それ、嘘やろ!?」  雄介は望が最後まで言葉を言い切らないうちに言葉で遮る。 「視線がどっかに行ってまっるし、顔の方も赤くなっておるしな……って事は、あーだこーだで自分の後ろのココを慣らす行為は恥ずかしいねんやろ? それで、時間稼ぎをしているんと違う?」  そこまで雄介に言われてしまうと望の方は言葉がなくなってしまったのであろうか。 完全に黙ってしまったようだ。  望はどうにかして、その行為に関して自分に決心を付けてからと思い、雄介に奉仕することによって誤魔化してきたつもりだったのだが、雄介にそうやって言われてしまうと恥ずかしいのかもしれない。 「出来へんっていうのなら、こっから先は俺がリードしていくしな」  その言葉に望は雄介から視線を外してまで考えてしまっているようだ。  そして顔を上げて、 「そ、それだって、俺が今日はやるに決まってるだろっ!」  そうヤケになったような風に言うと、 「それ、どうやればいいんだよ?」  と雄介に聞いているようだ。  そして望は雄介の事を上目遣いで見上げる 「せやな……?」  とりあえず雄介は自分のペースに戻した感じがあったからなのか余裕そうに考えると、 「足を開いて、俺にもよーく見えるようにかな?」  雄介がそう言うと望はその一瞬でそれを想像したのであろう。 望の方は一段と顔を赤くしていたのだから。

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