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ー雪山ー131

 和也はメインの部屋の電気をつけずに、お風呂場から漏れてくる明かりだけで、裕実とともにソファに腰を下ろした。  ふと和也はDVDプレーヤーに付いている時計表示を見ると、既に時刻は夜中の二時を回っていた。 「もう、こんな時間だったのかよ。まぁ、寝ないのには慣れたけどな。こんな仕事してるわけだし」  そうぼそりと漏らす和也。 「まぁ、それに多少寝れれば平気だしさ」  そう和也は言ったものの、ふと思い出したことがあったようだ。  確かに和也の家のベッドはダブルベッドではあるが、さすがに大人三人で寝るのは難しいのではないだろうか。ということだ。さすがの和也もそこまで考えていなかったということだろう。 「なぁ、裕実……どうする? ウチさぁ、ベッド一つしかないんだけど、大人三人で寝れるかなぁって思ったんだけどさ。まぁ、確かに窮屈ではあるけど、寝れないことはないのかな?」 「じゃあ、僕が帰りますよ……」 「バーカ……今からお前一人で自分の家に帰すわけにはいかねぇよ。夜中だぞ、何されるか分からないだろうが」  和也はそう心配そうに言い、裕実の肩を抱きしめた。 「だから、今日はお前も泊まってけってさっきから言ってんだけど。とりあえず、無理してでも三人でベッドで寝るしかねぇだろ? ただし、今日の望は危険だから、俺が真ん中になるけどさ」 「そしたら、和也さんが危険な目にあうじゃないですか?」 「そこは、俺が何とかするから大丈夫だ」 「でも……」 「心配そうな顔するなって、大丈夫だからさ、一切、望には俺にもお前にも手を出させないようにするしな」  そう和也は裕実の頭をポンポンと軽く撫でるような感じにすると、立ち上がってお風呂場へと向かった。  その間、裕実は心配そうな表情で望が寝ているベッドを見つめていた。 「裕実……」  そう和也は裕実の名前を呼び、手招きして呼んだ。 「何ですか?」 「お風呂の方、溜まったみたいだから入ろうぜ……」 「あ、はい!」

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