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ー雪山ー156
コテージの中に入ると、広いリビングがあり、テーブルと椅子が四脚置いてあった。その左側には黒革のソファが三個置いてあり、そのソファの向こうには壁掛けテレビがあり、窓際には暖炉も置いてある。
床はフローリングで、さらに床暖房が備わっていた。寒い所から来た四人には十分過ぎるほど、部屋の中は暖かかった。
そして、もう一つドアがあり、そこを開けると、どうやら寝室のようで、ベッドが二つ置いてあるのだ。
その寝室のドアを開けたのは望。
「なぁ? ベッド二つしかねぇんだけど?」
「はい? ベッドは二つで十分やんか……」
望はそんな雄介の答えに冷めたような感じで雄介のことを見ると、強くドアを閉める。
「お前はソファで寝ろよ」
「はぁ!? 何言うてんねん!」
「何でもだ……! こんな部屋を予約したお前が悪いんだからさ」
「それ、お前……本気で言うてるん?」
「当たり前だっ!」
望はそう言いながらソファへと腰を下ろす。
「ちょい、待ちぃな……まぁ、俺がソファで寝るのは別に構わへんよ。せやけど、掛け布団の方はどないしてくれるん? 予備なんていうもんは流石にあらへんやろうしな」
流石の望もそこまでは考えていなかったのであろう。瞳を宙へと浮かせて考えているようだ。
「望ー、わがまま言うのは別に構わんへんけど、ちょっとは俺のことも考えてぇな」
そこに割り込んで来るように和也が入って来る。
「流石の雄介もそれはキツいだろうぜ。まぁ、雄介が風邪を引いて面倒見るのは望になるんだろうけどさ。どうせそうなったら一緒に寝なきゃなんねぇんだから、最初っから一緒に寝ておいた方がいいんじゃねぇのか?」
望は今の和也の言葉にひと息吐くと、
「……ったく、分かったよ。でも、今日、明日は仕方なくだからなっ!」
そう望は強く言ったが、雄介は望の言葉に、
「いつもは一緒に寝てるのにな」
と呟くように言うのだ。
「何か言ったか?」
「言うてへんよ。とりあえず、飯食うてからスキー行こか?」
雄介たちは朝早くに出発してきたため、お昼はまだだった。しかも到着したのはお昼過ぎということもあって、ちょうどお腹が空いてきたのだ。
このコテージでは自炊もできるが、先ほど通ってきた建物には食堂もあり、そこで食事がとれるようになっているようだ。
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