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ー雪山ー159

 コテージを後にした雄介は、和也と裕実の背中を押して、まずはさっき言っていた食堂の方へと向かう。  食堂はお昼過ぎで人はそれなりにいるが、空席が目立つほどだ。雄介は空いている席を確保し、そこに荷物を置いておく。 「ほな、何食う?」  この食堂は、スキー客とコテージに泊まっている客の両方を取り入れるため、早く回すこととコスト削減のために、先に食券を買ってセルフで自分で運んでいくというシステムらしい。  三人はまず食券を買う列に並び、それから食券を買って自分が選んだ食事を選び、席に戻ってくる。 「和也は何にしたん?」 「俺? カレー」 「カレーかぁ。俺はシャケ定食……で、裕実は?」 「僕はうどんにしましたよ」 「そんなんでお腹いっぱいになるんか?」 「なりますよー。逆に雄介さんは食べすぎなんじゃないんでしょうか?」 「まぁ……食わないとやっていけん仕事しとるしな。普段は体を動かすことをしとるから、食べれる時に食べておかんとな。それに、食べてもすぐにエネルギー消費が激しいし、すぐにお腹空くし、多分、俺の場合にはこんくらいじゃあ、足らんのかもしれへんけどな」 「そうなんですかぁ!?」 「当たり前やんかー。お前の方は逆に食わんと、体良くならへんで……」  雄介はそう言いながら目の前にいる裕実の胸を叩き笑う。 「ほらな、筋肉ないやんかぁ」  雄介の行動に、裕実の隣にいた和也が雄介を睨み上げる。その視線に気付いた雄介は、 「和也ー、睨まんでも分かっておるがなぁ。こんくらい許してくれたってええやろ?」 「お前なぁ、望に触れられないからって、裕実に触れてんじゃねぇよ」  和也はスプーンでカレーを掬いながら口に運びつつ言う。雄介は突然ため息を吐く。 「望かぁ……」

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