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ー雪山ー171
「何言うてんねん……望の場合には逆に食える時に食っておかなあかんやろ? 普段はコンビニ弁当や、カップ麺ぐらいしか食べてへんのやろ? 寧ろ、今日は食うもんは食うてな……って感じやしな」
雄介はそう言いながら、焼肉に必要な食材やお皿をすべて運び終えると、望の隣へと腰を下ろした。
「まぁー、そうなんだけどさ……俺はお前のようにがっついてないだけだ」
望はそう言うと、今度は和也の方に顔を向けて、
「あんな、その言葉、お前らにピッタリな言葉だろうが……俺と裕実はそんなに食に関してはがっついてないと思うんだけど……」
そう本気で言っている望に対し、和也はため息を一つ吐くと、
「ホント、望は冗談が通じねえくらいに真面目さんだよな。冗談に決まってるだろ? 肉の方は多めに買ってきてるし、自分が好きなように食っていいんだからな」
「悪かったな」
そう望はふてくされるように言った。
「まぁ、いーや……今日は思いっきりハメ外そうぜ!」
和也はそう言うと、買ってきたビールを全員に渡した。もちろん、裕実にもだが、裕実にはとりあえずというところだろう。
そして、
「カンパーイ!」
そうみんなで声を合わせると、
「今日は思いっきり飲むためにいっぱいビールも買ってきてるからさ。じゃんじゃん遠慮なしに飲もうぜ。普段はさ、車とか仕事とかあって全然飲めないけどさ……まぁ、今日くらいはって……まぁ、いいんじゃねえのか? 俺たちだってたまにはこういう息抜きっていうのも必要なんだしさ……」
「せやな! 今日は俺も思いっきり飲むし! 望もたまにはハメ外しや、望もビール飲むんやろ? 普段はあまり飲まないみたいやけどな……」
「まぁな。タバコは最近吸わなくなったけどさ……酒の方はまぁちょいちょい飲むっていうのか、まぁ、俺は一人では飲まない感じかな? だから、今日は俺も思いっきり飲むつもりだしな」
雄介は望の言葉に一瞬、体の動きを止めて首を傾げると少し視線を上の方へと向けて何か考える。
「ん? 望ってタバコ吸ってたんか?」
そう雄介はビール片手に望の顔を覗き込むように聞いてきた。
「あー、前にちょっとはな。でも、タバコは常習してなかったかな? 一ヶ月にひと箱ぐらいだったと思うんだけど……」
望の方は焼けた肉を口に運びながら話すのだ。
「へぇー、意外やなって感じがするんやけど、望がな……タバコ吸っておったなんてなぁ」
「まぁな。それに、和也にもちょいちょい上げてたし、だから、そんなには吸ってなかったっていうのかな?」
「ほな、なんで完全に辞めたん?」
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