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ー波乱ー46

 この夜は久しぶりにプライベートな時間を過ごした二人はお互い確かめ合う為に寝る間も惜しんで何度も唇を重ね合わせていたようだ。  やっと二人が眠りに落ちたのは夜が明け始めた頃だったんだろうか。  それから数時間後、望は腕時計のアラームで目が覚める。 「もう、朝か……」  望は昨日寝た時間が遅かったせうか気だるい体を起こし半身を起こす。  雄介はどうやらまだ眠っているようだ。 とりあえず雄介の事を起こさなくて良かったと思いながらベッドから降りると体を大きく伸ばすのだ。  夜とは違い明るい太陽が地球上の生命体を起こし始める。  外では鳥達は囀り電線の上で何かを話している姿が目に入ってくる。  とりあえず望がいる場所からは鳥達以外は見えて来ないのだが未だに復興途中の街並みは見えてきていた。 「さて、今日も一日頑張りますか!」  望はまだ寝ている雄介の寝顔を少しだけ堪能すると自分の部屋へと向かうのだ。  だが、まだ出勤時間には早い為か部屋の中には誰もいない状態でもある。 だからなのか望は一人ゆっくりとシャワーを浴び始め着替えると自分の机で何か作業を始める。  ただ今の時間は本当にここでも静かな空間だ。 それに伴って病院という所は空調もいい温度に保たれている為か寝不足だった望を睡魔が襲って来ているようだ。  望は椅子に座りながら作業はしているものの何回も頭が下がって来ては戻すという事をしてしまっていた。  暫くすると望は完全に睡魔に負けてしまったのか机の上に頭をうっ潰したまま寝てしまったようだ。  しばらくしてから望の事を誰か呼ぶ声が聴こえてきたようでフッと望が目を覚ますと隣には和也の姿があった。 「……和也……あれ? 何でここに?」 「なーに……朝から寝ぼけてんだよ……ここは俺達の部屋だろ? で、昨日、望君は何処にいたのかな?」  その和也の言葉に望はハッと何かを思い出したというのか、きっと昨日の雄介との事を思い出してしまっているのであろう。 顔を赤くしたのだから。  だが未だに和也の前では素直になれない望は、 「昨日はお前達が帰った後に俺も帰ったんだからなー! あぁ! 俺は帰ったんだったら帰ったんだよ……! 嘘じゃねぇし……」  そんな望に和也の方は望が嘘吐いている事に気付いたのか、 「……ったく。 嘘だっていうのは分かってんだよ。 だってな、望の顔見れば分かんだろ? 昨日は雄介の所に居ました! って書いてあんだからな……」

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