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ー波乱ー47
望はため息をつくと、
「なーんで、俺の行動はお前にバレバレなのかなぁ?」
「へぇ、やっぱり、そうだったんだ……。カマかけて正解!」
和也はそんなことを言いながらロッカールームへと消えていく。
「和也!」
朝からそんなことを言われた望は頭にきたのか、和也のことを怒鳴った。直後、和也はロッカールームから顔を出してきて、
「これで、目が覚めただろ?」
と言った。
「ぁ……」
そう、和也のその言葉に納得してしまった望。
「頭もしっかり起きたんじゃねぇの?」
「ああ、まぁ……」
「なら、良かったじゃねぇか……」
和也はそう言うと再びロッカールームへと消えていく。
とりあえず和也のおかげで目が覚めた望は、再び机に向かうと書類に目を通し始めた。
和也は着替えてソファに座ると、
「昨日は久しぶりに裕実のこと抱いてきた……」
その和也の言葉に、望は持っていた紙を握りつぶした。
その紙音は部屋中に響き渡り、和也もその音に気づかないわけがないだろう。目を丸くしながら望のことを見上げる。
「急にどうしたんだ?」
「いや、ただ単に間違えただけだから紙を丸めただけなんだけどな」
「いや……今のはそんな態度じゃあなかったと思うんだけどなぁ」
「お前ってさぁ、人のこと、逆撫でするの好きだよな。それって、いい趣味とは思えねぇんだけど……」
「本当に! 望って俺のこと分かっちゃいねぇよな?」
和也はそう言うと、両手を頭の後ろで組んでソファへと寄りかかった。
「望のストレスを発散させるためにやったんだよ。そうじゃなきゃ望ってそういうこと話してくれねぇだろ? だって、望って心にいっぱい溜め込んじゃうもんさ……」
その和也の言葉に黙り込む望。
「黙るってことはそういうことだろ?」
望はため息をつくと、
「ホント、俺はお前に勝てねぇよな……」
和也は望の言葉にクスリと笑うと、立ち上がって冷蔵庫の中にあるミネラルウォーターを口にした。
それと同時に颯斗が部屋へと入ってきた。
「おはようございます。吉良先生に梅沢さん」
「ああ、おはよう……」
和也はそう口にすると、颯斗から避けるようにソファの方に腰を下ろした。
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