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ー波乱ー48
その和也の行動に、颯斗はクスリと笑うと、今日は和也に何も仕掛けずにロッカールームへと消えていった。
その颯斗の意外な行動に、逆に和也の方が何が起きたのか分からず、キョロキョロとしてしまったほどだ。
「今日はアイツに何もされなかったみたいだな?」
「ああ、いいんだか……悪いんだか」
和也はそう言いながら、再びソファへと腰を下ろす。
それから、お昼までは颯斗が和也に何か仕掛けてくることはなかったらしい。
「なんか……変な感じ……」
お昼になると、食堂に入った二人は、中庭の見えるカウンター席で隣に並んでご飯を食べ始める。
「むしろ、仕掛けてこない方がいいんじゃねぇのか?」
「そりゃ、そうだけどよ。なんか今まで仕掛けられてきたから、変な感じっていうか、拍子抜けって感じかな?」
「まあ、そこはそうなんだろうけどさ……」
望はそう言いながら、窓の外を眺める。
今日は晴れて青空が広がっている。
「まあ、いいんじゃねぇの? 今の空のように清々しい感じなんだしさ」
和也はその望の言葉にクスリと笑い、
「望にしては珍しいこと言うな」
「なんだよ……その珍しいっていうのは」
「普段、お前、そんなこと言わねぇだろうが……」
「俺、そういうこと言わなかったか?」
「望の口からそんなこと、聞いたことねぇぞ……」
そう、和也は口を尖らせながら言う。
「そこまで言い切らなくてもいいだろうが……」
今度、望は和也とは反対側を向いてしまうが、次の瞬間には二人で顔を合わせてクスリとしていた。
二人とも、お互いの性格を知っているからこそ、何か通じるものがあったのだろう。だからこそ、お互い言い合いしていても笑い合えるのかもしれない。
「ま、いいや……早く飯食っちまおうぜ。時間なくなっちまうしな」
「……ったく、お前といると本当に食うのが遅くなっちまうんだよな」
そう言い始める望だが、
「そう言うか? こんなに和也君が相手してるのに?」
「はいはい……」
望はそんな和也を相手したくないのか、生返事をしながら、空になった食器を片付けに向かう。
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