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ー波乱ー67
「よう我慢したな……」
そう雄介は裕実に向かって笑顔を向けるのだが、いざとなると行動に移せない雄介。
雄介は暫くの間、躊躇していると裕実の手が伸びて来て雄介の手首を掴んで裕実の胸の突起の方へと誘導させられてしまっていた。
そして雄介の指先が裕実の胸の突起を掠めただけで、
「はぁん! ぁ! ……や、やばい!」
とそう裕実は甲高い声を上げて逆にその裕実の声に雄介はビクリとさせてしまっている。
だが、やはり雄介的にはヤル気はないのか困ったような表情をし、
「さっき俺はああ言ったんやけど……その……いざとなると、やっぱ、アカンねんなぁ」
「ど、どういう事ですか!?」
「今もなんやねんけど……頭の中に望が出てきて、嫌そうな表情してんねん。 確かに和也にはええって言われとったけど、やっぱり、俺的には望の事悲しませるような事は出来んって事なんかな?」
と雄介が言った瞬間、病室のドアが開いて、そこには息を切らした和也が立っていた。
和也の方はきちんと仕事を済ませてから来てくれたのか、もう私服姿でそこに立っている。
「はぁ……はぁ……裕実! 大丈夫だったか!?」
和也の方は足早に病室の中へと入ってくると裕実が寝ているベッドへと近付くと、先程始めようとしていた雄介と裕実、裕実の胸の突起ら辺に雄介の手が乗っていたのである。
だが和也はそこには気にもとめず、
「雄介……ありがとうな……。 もう、仕事の方は終わらせてきたから大丈夫だしよ。 後は俺に任せてくれないか?」
「ほんなら、良かったわぁ。 ホンマ、ドキドキしたで……言っておくけど、俺には人の恋人を抱く根性まではなかったみたいや。 言葉では言う事は出来ても実際、抱くっていう時になったら、自分から触れるって事は出来へんかったしな」
「そうか……なら……ゴメンな……お前に裕実の事無理矢理任せちまったみたいでさ」
そう和也は言うと裕実に上着を着させて裕実の事を抱き上げる。
「まぁ、見ているだけって事なら出来るんやけどな」
雄介はそう言うとベッドの上へと上がるのだ。
「望はどうしたん?」
「望はもう少ししたら来るんじゃねぇかな? とりあえず、裕実をこのままにしておくことは出来ねぇからさ……望が俺達の部屋を使っていいって言うからしよ。 でもさ、今はアイツがいるだろ? だから、望がアイツの事を追い出して部屋を空けるって言っていたからな。 まぁ、正確にはアイツに早く帰ってもらうように促しているって所かな? アイツの事、追い出す事が出来たら、ここに来るって言ってたしな」
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