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ー波乱ー88
「ゆ、雄介……これ痛いんだけどよ」
「しゃーないやんか……これはこういうプレイなんやからなぁ」
そう言われてしまったら言い返す言葉がなくなってしまったのか黙ってしまう望。
「……分かった。 今日はお前に任せるからさ……でも、後で覚えておけよ」
そう言う望なのだが内心では何を考えているのであろう。 そこは望じゃない限り分からないところなのだから。
雄介は今まで少し強気で行っていたのだが、その望の言葉に少し引きつった顔をしている。
「なーに……ボッーとしてやがるんだ! さっさとやりやがれ!」
「ああ……あ、まぁ……せやったな」
急に何だか強気で来る望に顔をマジに引きつらせながら望の様子を伺い始めた雄介。
そう! 今日は入院中に和也に教えてもらった事を実行しようとしているのだが、どうも望とだと調子が狂うというのか、想像していた事とは違っているかもしれない。 そう雄介は入院中、和也と何度も顔を合わせる事があって「たまには変わったプレイするのもおススメだぞ。 マンネリ化すると飽きられちゃうっていうからさ……」とも言われていて、しかも望の親父さんからはそれに使う為の道具も渡された事もあってか変わった事をしようとした矢先、意外や意外、望もその気になっているのか逆に挑発的な態度に雄介の方がたじろいた位なのだから。
雄介はとりあえず今の望に飲み込まれないように自分の方を立て直す。
「望その気やっていうんやったら、楽しませてもらった方がええって事やんな?」
と雄介はそうボソリと独り言を漏らす。
「望がその気なんやったら、ホンマ、今日は楽しませてもらうで……」
望はその雄介の言葉に答えないでいるのだが顔では「お前なら許す……」という事を表しているようだ。 心なしか微笑みながら雄介の事を見上げているのだから。
雄介は、まず望の体を少し起こすと望が着ているパジャマのボタンを外しながら望の甘くて柔らかい唇に唇を重ねる。
長くて甘いキスを繰り返しながら雄介はわざと水音を立てて部屋内にそれを響かせる。 そして雄介は望の耳も舐めて聴覚をも刺激するのだ。
「ちょ、そこ……あぁ! ダメぇ……!」
今日の望は早くも根を上げる。
今日は後ろ手に手錠を掛けられているせいか口も押さえる事も出来ないのだから、いつも以上に望の声が聞こえてきていた。
「望がココ弱いの知らなかったわぁ」
そう望の耳側で甘く優しい声で言う雄介。
耳側っていうだけあってか雄介の息が耳の奥まで聞こえてきているのかもしれない。 その吐息だけで望はもう反応してしまっているのだから。
いや、やはり今日の望はいつも以上に反応がいいのかもしれない。 という事はいつも以上に感じているのであろう。
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