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ー海上ー82

 和也は裕実の後ろへと座ると、フリではなく普通に裕実のモノを握り雄介の方も裕実の胸の突起へと触れる。 「ちょ、和也!! フリ……!」  裕実の方は和也に何か訴えようとしているのだが和也の方はそんな裕実に何か言おうとしている事が分かったのであろうか裕実の口を手で塞ぐのだ。 「ん! ……ん!」 「ナイスやんな……和也……」 「当たり前だろ? 裕実が今何か言おうとしている事が分かったからな」  和也は雄介にそう答えると今度は裕実の方に向かって、 「お前さぁ、自分からのこの状況に乗ったんだろ? なら、何も言わずに気持ち良くなってればいいんじゃねーのか?」  和也がそう言うと裕実の方は瞳を潤ませて和也の事を見上げる。 「まさか、和也がこんな事するとは思いませんでしたよ! 僕は和也のものなのに……悪いですが僕は雄介さんに体を許したつもりはありませんからね」  裕実の方はそこまでいうと俯き今度は本当に泣いてしまっているようだ。 「あ、ごめん……裕実。 俺達の方が悪ふざけし過ぎたよ。 別に裕実の事を悲しませる為にやった訳じゃねーんだからな」  そう和也の方は本当に申し訳なさそうに裕実の体から離れると雄介の方も裕実から体を離すのだ。  その途端、裕実は望の方に向かい、 「望さん! やっぱり、和也と雄介さんの悪ふざけでしたよ!」 「やっぱり、そうなのか……」  という事は望と裕実の方もグルとなって和也と雄介の事をハメたきたのであろう。 「裕実! 俺達は先に出ようぜ! そんな危ない奴等と一緒にいると体持たなくなってちまうからな!」 「そうですね!」  と裕実は怒ったような口調で言うと望と一緒に着替えて部屋の方へと戻って行ってしまう。  そして、お風呂場に残された二人は、 「なぁ、どないすんねん……今の作戦、むっちゃ逆効果やったやんかぁ。 和也のせいで望達行ってもうたしな」 「だけど、こうなる筈じゃなかったんだけどな……」 「……って、ホンマはどうなる予定やったん?」 「まぁ、裕実の方は俺達の所に来てくれるとは思ってたんだけどさ……そっから、三人でやって半分はまぁ冗談って感じでさ……それで、望の事を嫉妬させて望も雄介の方に戻って来るっていう予定だったんだけどな」 「アホか……望は確かにそういう計画で嫉妬はするのかもしれへんのやけど、黙って行くに決まってるやろ? 二兎を追う者は一兎をも得ずっていう言葉があるやんか、今のはまさにそれやんな……しかも、二人共行ってまったな。 ってか、後で二人の機嫌直すのは至難の業やで……」

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