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ー海上ー130

「ほんま……望って可愛えのなぁ、そないに顔を真っ赤にする所がほんまに可愛え。 ほな、ほんまにしてええんやな?」  その雄介の言葉に未だに雄介の方に視線を向けられていない望なのだが頭だけはコクリと頷かせる。 「とりあえず、俺の方に顔向けて……」  その雄介の言葉に望は雄介の方に視線だけは向けるのだが、 「目だけじゃあな、顔全部を俺の方に向けて欲しいって言うてんねんけど? それとな、俺の方は望の腰辺りに腕を回しておるからええねんけど、望の方は俺に肩に腕を回してくれへんか?」  雄介のその言葉に望はなかなか行動に移す事が出来なかったが、暫くすると急に望は行動し雄介が言っていたように肩に腕を回すと雄介の方に視線を向ける。  そんな望に雄介は望の方に視線を向けると今日の望というのはこうキラキラとした瞳をしているようにも思える。  それは部屋の明かりがそうしているのかもしれないのだが、明かに望の瞳が潤ってそう見せてくれているのであろう。  望は今まで雄介の事を見つめた事などなく、もうそんなに長く雄介の事を見つめる事は出来ずにいそうな雰囲気に雄介はそのままの状態で望の唇に吸い込まれるかのように唇を重ねる。  最初は軽く重ねる程度のキスをしていたのだが、望の唇から離れる時には望の心に火がつくようにわざと唇を吸い上げて水音を立てる。 「ん……はぁ……」  今日の望はたったそれだけで出来てしまっているのか、ただただ色っぽい瞳で離れていってしまった雄介の唇を見つめていたのだ。 「……何!? どないしたん? 今日の望はなんか俺にして欲しいみたいな瞳しとるやんかぁ。 そういう事、今日の俺は望から聞いてみたいんやけどな? ま、とりあえず望は俺に何かして欲しい事あるん?」  きっと望の中では雄介の事を意識してしまっているのであろう。 だからなのか相変わらずの望で何も口にしなくなってしまっている。  望の方は瞳に涙を溜めながら首を横に振ってしまっていた。 「ほな、今日は俺のやり方で望の事気持ち良うさせてもええって事やんな?」  すると雄介は望の体をベッドの上へと寝かせ、雄介の方は望のお腹の上へと跨がると雄介は確かめるかのように望の額に額を重ね望と視線を合わせる。  望はその雄介の行動にしっかりと視線を合わせると頭を頷かせるのだ。

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