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ー海上ー129
暫くしてご飯を食べ終えた二人。
「やっぱ、微妙だな……」
「そっか? めっちゃ普通やと思うねんけどな」
「馬鹿……分からないのか?」
「ん?」
望のその言葉に雄介の方は首を傾げる。 そんな雄介に望の方はいつものように、
「分からないんだったらいい……」
そう冷たく答える望。
「とりあえず、今はお前は寝ろよ。 俺の方は風呂に入って来るからよ」
その望の言葉に雄介は、
「……って、風呂ってさっき入って来たと違うの?」
望はその雄介の言葉を無視してお風呂場の方へと向かってしまう。
雄介はそんな望にひと息吐くと望に言われている通りにベッドの上へと横になる。
雄介がベッドへと横になると聞こえて来るのはシャワーの水音だ。
その他の音は本当に何も聞こえてきやしない部屋でもある。
部屋内も家とは違い生活感のある匂いはない。
雄介の方はピシッと伸ばされているシーツの上にうつ伏せの状態で転がってみるのだが、本当にこういう所のベッドは広く出来ている。 雄介の身長は日本人の平均からしてみたらかなり高い方なのだがそれでも悠々と寝れてしまう。
先程、望には「寝てろ」と言われた雄介なのだが、逆にこんな所では落ち着いて寝れる訳がなく。 逆に目が冴えてしまっているようだ。 そうだ今日は朝から望に仕掛けられてしかも望にホテルにまで連れ込まれてしまっているのだから意識してしまうのは当たり前の事だろう。
雄介はそんな事を考えながらうつ伏せだった体を仰向けの状態にさせるといきなり望の顔が飛び込んできた。
「……雄介……大丈夫か?」
「あ、ああ……望かぁ……ビックリしたわぁ……って、もう、出て来たん?」
「俺は前からシャワー派だって言ってんだろ? それよりか俺言わなかったか? お前は休んでろって……」
雄介はその望の言葉に上半身を起こすと突然望の手を引いて望の体を自分の方へと引き寄せると望の体を自分の膝の上へと座らせる。
「あんな……望にこないな所に連れて来られて逆に俺が寝れる訳ないやろ? 今日は朝から望に誘われるわぁ、望にはこないな所に連れて来られるわぁ……挙句、望はシャワー浴びてくるわぁ……でな。 俺やって人間やぞ……我慢するには限界っていうもんがあるやろうが……」
そう真剣な瞳で雄介は望の瞳を見つめる。
「……。 お、俺だってな……お前とシたくなきゃ……朝からあんな事仕掛けねぇし……こ、こんな所にお前の事連れて来る訳がねぇだろうが……。 そりゃ、いいからに決まってるだろ?」
こんな恥ずかしい事、望からしてみたらまともに雄介の瞳を見て話せる訳もなく完全に雄介から視線を外ししかも顔を俯けて話す。 きっと真っ赤になった顔を雄介には見せたくはないからであろう。
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