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ー崩落ー33
「全然、僕達の方は構いませんからね。それに、お世話することに関して苦とも思ってませんからね。だって、僕達の仕事というのはお世話するっていうのが仕事なんですから」
「あー、まぁ、確かにそうだったんだよな」
「なんならご飯食べさせてあげましょうか?」
そう言う裕実はクスクスとしている。
「あのなー、俺はもう、そこまで世話して貰わなくても大丈夫なの! まったくー、お前もホント和也に似てきたよな? ま、でもまだ和也の域には達してねぇけどな」
「だって、僕がこうしてふざけられるようになったのは和也のおかげでもあるのですが、望さんや雄介さんのおかげでもあるんですよ。前まではこんな風に明るく人に接する事なんか出来てませんでしたからね。こういう事を教えてくれたのは和也でもあるんですが、望さんも雄介さんもふざけても本気で怒るって事はしないので、出来るようになったんですから」
「そっか……それなら良かったな。楽しい事は和也にもっと教えてもらえよ。そしたら、生きてるっていう事がもっと楽しくなるからよ」
「ですね!」
そう裕実が望に笑顔を見せたと同時に、望は食べ終わったお皿をテーブルの上へと置くのだ。
「ご馳走さまでした」
「もしかして、望さん完食ですか!?」
「ああ、大分良くなってきたような気がしたしな。食欲も湧いて来たって感じだったかな?」
「それなら良かったですよ。じゃあ、僕は空いたお皿を置いて来ますね」
「いいよ。トイレ行って来るついでに下に行くからさ」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だって」
望は足をゆっくりと床へと下ろすと立ち上がるのだが、今日一日ベッドの中にいた体はまだ上手く機能してくれないのか、頭がどうやらフラついてしまっている。
「本当に大丈夫ですか?」
「頭がフラフラってするのは最初だけだと思うから大丈夫だとは思うんだけどさ……ま、少し落ち着いてからな」
「ま、仕方ないですよー。具合悪い時っていうのはそういうもんですからね」
「まぁな……。でも、元気になってきたんなら歩かないとだし、トイレも行かないとヤバイしな」
「ですね。これが病院でだったらトイレにまで行かずに済むんですけどね。家で療養となると自分でやれる事はしないといけませんしね」
「つーか、家の中で病院みたいな世話はされたくはねーよ……」
そういう風に答える望は、気持ち的に顔を赤くしているようにも思える。
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