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ー崩落ー39
和也は望の額に触れると、
「すっげー熱さだな……。やっぱり、さっきまでの元気さは一時的なものだったらしいな」 「みたいですね」
そう裕実は和也の言葉に頷くと、
「和也……望さんのこと、病院に運んで行った方がいいんじゃないんでしょうか? 望さんって確かさっき薬飲んだばかりでしたよね?」
「確かにそうだよな。この様子だと本人も苦しそうだしさ。それに、今この状況じゃあ、水分も摂れないだろうし、病院に行って点滴とか打った方が早いのかもな。とりあえず、裕実は病院の方に電話しといてくれねーか? それから、俺が望のことを車で病院まで運ぶからさ」
「分かりました」
裕実はその和也の言葉に返事すると携帯を取り出し、春坂病院へ電話を掛ける。そして、その間に和也は望を車に乗せ、裕実が電話を終える頃には一緒に病院へと向かうのだった。
「望は入院っていうのは嫌がってたんだけど、緊急事態だから仕方ねぇよな?」 「それに、僕たちも明日は家にいることができませんしね」
「まぁ、明日は雄介が家に居てくれるんだけどよ。やっぱ、そういうところじゃあ雄介は頼りないのかな?」
「そうですね。やはり、望さんにはきちんと入院してもらって、ちゃんと治してもらった方がいいですもんね」
「ああ、そうだな」
それから暫くして、車は春坂病院の駐車場に着き、和也は望を抱き抱えながら緊急入口から入って行く。
診察室に向かうと、そこに居たのは裕二だった。
「やっぱり、一昨日家に帰したのはまずかったのかな?」
裕二の存在に安心したような表情を浮かべる和也。
「みたいですね。家だと逆にゆっくりできないみたいでして……僕たちが望のことを見てあげている立場なのに、望には色々と気を使わせてしまっていたんだと思います。本当に僕たちが見ていたのに申し訳ございません」
和也はそう言い終えると、裕二に向かって深々と頭を下げる。
「それは仕方ないよ……だって、望は入院することを拒んでいたんだし。でも、こんな状態になってまで入院を拒んだ時には私が許さないからね。だから、君たちは安心してくれるといいよ」
「はい」
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