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ー崩落ー122

すると望の耳にもお風呂場に入ったという音が聞こえてくる。 「こういう事か……」  確かに水音が聞こえて来ると気になるのは確かだ。  それが好きな人なら尚更見たくなるもんなんだろう。  暫くして水音が止みどうやら雄介はお風呂から上がって来たようだ。  雄介は体を拭き終えると望同様にバスローブに身を包み、ゆっくりと望がいるベッドへと近付いてくる。 そして望の横に横向きになる雄介。  雄介はゆっくりと望の背中を優しく撫で始める。  それに気付いた望は、ゆっくりと瞳を開き雄介に視線を合わせると雄介は望の事を優しく微笑むのだ。  雄介の手はやがて望の背中から頭へと向かい今度は望の髪の毛を梳き始める。  やがて、その心地いい雰囲気に望の体からは力が抜けていってるようだ。 「ホンマに俺はお前の事が好きや。 それに、世界一……お前の事幸せにしたいと思うとるしな。 な、望……正面の方向いてくれへん?」  その雄介の質問に望の方は仰向けになって雄介はそんな望に望の腰辺りに両足を付いて四つん這いになると、 「目……瞑って……」  そう優しい声で言うと望の唇に唇を重ねる。  毎日のように望とはキスをしているのだが今日は久々にじっくりゆっくりとキスをする事を出来たからなのか、いつも以上に甘く感じているようだ。 「ん……ゆ、雄介……し、しつこい……」 「ん……? しゃーないやんか……久々なんやから、じっくり味合わせてや……」 「だけど……ん……しつこいんだって……」 「何? 今日はそんなに望は先に進みたいん?」  そんな意地悪な質問に望は顔を真っ赤にさせ目を見開く。 「そ、そんな訳じゃ……ねぇよ……」  そう言う望は雄介から視線を外し答える。 「ほなら、望が急かす理由は?」 「だから……そこは……しつこいってだけで……」 「そないに顔を真っ赤にして言うても説得力ないで……」 「本当だってば!」 「なら、俺とのキスは嫌なんか?」 「その聞き方ズルいぞ……」  望は雄介の言葉に顔を真っ赤にすると雄介の方はクスリと微笑む。

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