望の意味ありげな言葉に裕実は尋ねる。 「外に何かありますか？」 「ん？体の調子が悪いとかかな。多分、和也って自分が病気になってても言わないタイプだと思うんだよな」 「あ、確かにそうかもしれません。和也は基本的に人に迷惑をかけたくないと思うタイプですからね。それもあり得そうですよねー」 「とりあえず、裕実が確かめてみてくれねぇか？流石に寝る時はお前と一緒に寝たいと思うし、体をくっつければ体温くらいは軽く測れるだろ？」 「でも、もし和也が嫌がったら？」 「和也に限ってそんなことはしねぇだろうし、逆にそんなことしたら、間違いなく体の調子が悪いって決定的だろ？」 「そうですね。じゃあ、次、和也がお風呂から出たら僕が見てみますね」 「ああ……」 「そうだ！今日は僕たちが一緒に寝たらいいんじゃないでしょうか？」 「そこはいつものように二階の客間で寝たらいいんじゃねぇのか？」 「分かりましたー」 　裕実が大声で返事すると、ちょうど和也がお風呂から上がってきたようだ。 「望、風呂サンキューな。はぁー、サッパリした」 　和也は再びソファに腰を下ろし、望の方に顔を向ける。 「とりあえずさぁ、今日は俺一人で地下室で寝るからさ」 　和也の言葉に、二人は目を丸くする。 「ひ、一人でか！？裕実とは一緒に寝ないのかよ？」 「あ、まぁ……なんていうのかな？今日は一人で寝たい気分なんだよ。それに、望が可哀そうだろ？雄介がいないのに、俺たち二人だけでイチャイチャしてるのはさぁ」 「あ、ああ……まぁ、そうなんだけどよ？」 　和也の言葉に、一応望は納得するが、裕実が近づいてきて望を見上げる。 「望さん！和也のペースに巻き込まれないでくださいよー。絶対に今日の和也は何か変ですから……。もしかしたら、望さんが言ってたように本当に調子が悪いのかもしれませんしね。だから、僕は今日、和也と一緒に寝ます」