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ー過去ー160

どこかのそういったDVDのタイトルにありそうなタイトルの付け方に望は呆れたようなため息を吐く。  望としては別にそんな馬鹿げたタイトルなんか付けなくてもいいとでも思っているのであろう。 「な、なー、流石に足を固定する道具っていうのは無いやんなぁ?」  雄介はいつの間にそんな知識を得たのであろうか。 そこは疑問に思う所だ。  そう言えばさっきから、携帯もいじっていて『和也が』と言っている。 という事は、雄介は先程から携帯を弄ってるのだから和也からそういった知識をもらっているという事だろう。 「流石に無いだろ……」  と、そう望の方はタカを括っていたのだが、どうやら雄介は倉庫の中から、それらしく物を見つけて来たらしい。  このベッドに付いていたのではなく、後からいくらでも付けられるようになっていたようだ。 「説明書付きやったで……。 へぇー、コレってこうやってベッドに付けるんやなぁ」  雄介はその説明書通りにその道具を設置していく。 「めっちゃ簡単やったわぁ。 これで、お医者さんごっこらしくなったやろ?」  そう笑顔で言う雄介に対して望の方はもうため息しか出ないようだ。 「ほなら、望……体を診て上げましょうか? 先ずは胸の鼓動からな」  雄介はそう言いながら聴診器を装着すると、望の服の前をはだけさせ、最初は普通に胸の鼓動を聞き始める雄介。 「望……ちょいと胸の鼓動が早くないか?」 「し、仕方ねぇだろ……。 緊張してるんだからよ」 「そうやなくて、俺と居るから鼓動が早いんと違うの?」  その雄介の言葉に顔を真っ赤にする望。 「顔を真っ赤にするっていう事はそういう事なんやろ? まぁ、それやったら、俺は嬉しいねんけどな」  そして雄介はさっき和也から貰ったメールに書いてあった通りに望胸の突起に聴診器を当ててみた。 「ん! ぁ……」 「やっぱ、可愛い声上げるやんなぁ。 思った通りの声やったわぁ。 な、望……胸の突起勃ってるみたいやけど、やっぱ、期待してくれてん?」  望はその雄介からの質問に再び顔を真っ赤にし首を思いっきり振るのだ。 「そないな事ないやろ? 胸の突起が勃ってるって事は立派な証拠やと思うねんけどな」  『分かってるんだったら言うな』と突っ込みたい所だ。 「んー、まぁ、特に悪い所はないみたいですねぇ」

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