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ー過去ー170

「何があっても、俺は望の所に戻ってくる。 例え死にそうになっても、頑張って戻ってくるし」 「縁起でもねぇ事言うなよな。 お前は必ず俺の所に戻って来いよな。 お前が死んだら絶対に悲しむし、生きていけなくなるかもしれねぇからな」 「分かっとる。 せやから、毎日の生きる目標は『望の為に頑張る』って事なんやって……。 目標があったら頑張れると思うしな。 それ望の為に仕事であろうと無茶な事はせぇへんから」 「ああ……」  そこで会話が途切れると雄介は、 「望……そろそろ挿れてくれへんかなぁ? 流石に萎えてまうし」 「……え? あ、うん……分かった」  今まで甘い雰囲気ではあったのだが、雄介のその一言で空気が一変し、望の方も一気に緊張が増してしまったのか言葉を詰まらせる。 「ホンマに無理せんでもええからな。 無理やったら言うてな」  そんな風に優しく言う雄介なのだが、 「やるって決めたんだから、やるに決まってるだろ。 ただ、緊張してるだけだ」  それだけでも雄介からしてみたら望が無理しているように見えてしまっているようだ。 「な、望……ホンマに無理せんでええからな」  そう心配そうな雄介に対し、望の方は緊張した表情からひと呼吸すると意を決したかのように雄介のモノを握るとゆっくり自分の中へと雄介のモノを埋めていく。  だが雄介の上に跨っていて重力もあってか、ゆっくりと挿れていったつもりでも意外にも早く雄介のモノが奥へと入ってしまっていったようだ。 そこで早くも雄介のモノを奥で感じてしまい望の口からは甘い声が漏れる。 「ゆ、雄介……む、無理っ!」  普段、こういう事をしていても一切汗を滲ませたことがない望なのだが、今日はやはり自分から動いているだけあるのであろう。 今回ばかりは流石に額に汗を滲ませていた。 「無理やったら……さっき止めるって言うたんやけどな」  その雄介の言葉を聞いて、望はさっき雄介が言っていた言葉思い出したのであろう。 今度は弱音を吐かずに、 「やっぱ、俺もお前の為に頑張りたいから……!」  雄介はその望の言葉に呆れたような諦めたようなため息を吐くと、 「ほんなら、ホンマ無理やったら、ちゃんと言うてな」  雄介はあまり望に負担にはならないようにと、望の頭を自分の方へと引き寄せ、望の前髪を掻き揚げ額の汗を手で拭い額へとキスをする。

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