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ー過去ー172
「たまには……俺からこういう事するのもいいだろ?」
「そりゃあ、まぁな」
「俺がこれだけお前の事が好きだって事になるんだからよ。 それに、俺はお前には何されてもいいって思ってるんだぜ」
一瞬、望の言葉に首を傾げる雄介。
そう望は『雄介に何されてもいい』って言ってくれているのにも関わらず、今その何かをされているのは雄介なのだから。
「望……言ってる意味が分からへんねんけど……?」
「だからだな……俺はお前の事が好きだから、お前にどんな事をされても言われても許すって言ってんだ。 だって、雄介もそうなんだろ?」
「まぁな」
「雄介は今、俺に体を舐められても平気なんだろ?」
「そりゃな」
「だから、いいって言ってんだ。 俺はどんな雄介でも許すってな」
やはり、まだまだ遠回しな言い方にやっと雄介は望が言いたい事が分かったのか、クスリとすると、
「そういう意味やったんか……望の気持ち……今のでよーく分かったで……」
雄介は望の体を抱き締めると、
「な、望……後一つだけ聞きたいねんけど……」
その雄介の言葉に望は目を丸くしながら首を傾げる。
「こういう事が終わってからプイッてするのだけは止めてな。 確かに終わった後に顔を合わせるのは恥ずかしい事なんかもしれへんけど、やっぱ、そうされると寂しいしな」
雄介からの最後のお願い事に望は、
「分かった……」
それだけ言うと、雄介は望の唇の引きつけられるように望の頭を抱き抱えるようにくちを重ねるのだ。
「ほなら、自分で動いて……」
甘く低い声が部屋内に響き渡り、望は自分なりにゆっくり腰を動かし始める。
確かに望の腰の動きというのは慣れてないだけあってか、リズム感というのはあまり上手くはないのだが、それでも、そこは好きな人が自ら動いているのだから例え下手であっても気持ちはいいもんだ。
「ぁ……ん……望……思ってたより……う、上手いやんか……」
「はぁ……ん……んん!」
望は雄介のお腹に両手を付いて自分なりに腰を動かし続ける。
今回、初めて下から望の事を見上げている雄介。
いつもだったら上からの位置で望が気持ちいい姿を見ているのだが、今日は下からの視点で望の事を見ている事になる。
望が動く度に甘い声が漏れ、髪も心なしか乱れているようにも思える。 奥を突く度に望の背中が弓のようにしなる姿もある意味初めての事なのかもしれない。
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