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ー過去ー174

 そして濡れたタオルで望の体を丁寧に拭くと、 「これで綺麗になったな」  そう言いながら雄介も望の横へと横になるのだ。 「どや? 初めて自分で腰を動かしてみた感想っていうのは?」 「べ、別に……普通だろ?」 「そうやなくて……気持ち良かったんかな? って思うてな」 「んー……そりゃまぁ、何て言うのかな? いつもより当たってて……気持ち良かったのかもな」  流石に感想というのは恥ずかしようなのだが、とりあえず雄介からの質問には一生懸命答えようとしているらしい。  それに気付いた雄介は、話を変える為なのか、 「ま、ええわぁ……」  そう言うと、天井を見上げる。 「ゆ、雄介は、どうだったんだよ?」  雄介の方はどうにか話を変えようとしていたのだが、逆に望の方からそんな質問をされてしまい、 「ど、どうって?」 「だから、お前と同じ質問で気持ち良かったのか? って聞いてんだよ」 「気持ち良くなかったら……イかへん訳がないやんか……気持ち良かったからイけたんやろ?」  確かに雄介が言ってる事はごもっともな言葉なのだが、望からしてみたら、どうやら質問の答えにはなっていなかったらしく、 「雄介ー、質問の答えにはなってねぇんだけど……」 「そうやったか? まぁ、俺からの答えっていうのは……いつも以上に気持ち良かったって事なんかな?」 「なら、良かった……」  その望からの素っ気ない返事に雄介は軽く息を吐くと、 「なんや、望……俺の言葉に納得いかへんかったのか?」 「いいや……ただもう疲れているだけだよ。 雄介にそう聞こえちまったんだったら悪いな……」 「そういう事な。 流石に疲れてまったんやったら、もう、今日は止めにしとくか?」 「今日はとことんやるって決めたんだろ? なら、頑張ってみるよ。 雄介……和也がイった回数越えてみたいんだろ?」  望はそう言いながら起き上がると、雄介の体へと跨がり両手で雄介の頰を力強く包むのだ。 「んー、んー! の、望……? そないに強く……挟まれて……もうたら……う、上手く……しゃべ……れ……へん……って……」 「たまにはこういう事もいいだろ?」  望の方はクスリとすると、力を入れていた手を緩め、 「やっぱ、お前の体の上っていうのは温けぇなぁ」  雄介の体っていうのは望の体よりひと回り大きい体をしている。 だから雄介の体にすっぽりと収まる感じだ。

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