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ー天使ー111
雄介はリビングの電気を消し望の背中を押すと、二階にある自分達の部屋へと向かう。
「今日は琉斗は地下室で寝てる訳やし、のんびり出来るな」
「あ、ぅん……でもさ、琉斗は今日、初めて一人で寝てるんだろ? いつ来るか分からないじゃねぇか」
「多分、大丈夫や。 琉斗の奴、寝たら、朝まで起きへんしな」
「でも、もし、起きて来たら、どうすんだよー」
「まぁ、そん時はそん時なぁ?」
雄介は望のことをベッドの上へと下ろすと、
「望……今日は望が約束してきたんやから、約束は守ってもらうで……」
「分かってるって、ただし、もし、琉斗が起きてきたら、お前が責任を取れよな……っていう意味だ」
「大丈夫やって……」
「しかし、お前にしては珍しいよなぁ? 今日はお前の方が折れないってさぁ」
「そりゃ、我慢の限界やしな……そんな時だって俺にもあるってことや」
「そっか……」
望は諦めたのか完全にベッドに体を預ける。
「ほんなら、ええねんな?」
「ああ……。 約束だから、お前が好きなようにしてもいいぜ」
「なぁ、望……その言い方だと、投げやりな感じにしか聞こえへんねんけど? やっぱ、こういうことは二人がやりたいと思わないとダメなんと違ゃうか?」
「心配すんな。 俺はいつでもお前となら、やる気はあるからさ、ただ、心配なのは琉斗のことだけなんだよ。 流石にこんなとこを子供に見せる訳にはいかないだろ?」
「ま、そうなんやけどな」
「もしさぁ、イく前に琉斗がここに戻って来たら、どうすんだよー。 それこそ、気持ち悪くねぇか?」
「勃ったまんま寝るか……一人でトイレで抜かなきゃならなくなるのかもな」
「そんなリスクまで背負ってヤりたいか?」
「せやけど、最近、ご無沙汰やし、明後日まで望に会えない訳やし」
そう切なそうに言う雄介に望も雄介の何かが伝わったのであろう。
望は雄介に向かい両手を伸ばすとその腕を雄介の肩に回し、
「分かった……雄介がそこまで言うんだったら、俺は別に構わねぇぜ」
そして望自ら雄介の唇へと唇を重ねる。
「ほんなら、ホンマにええねんな?」
「ああ。 だから、俺の気が変わらないうちに早く……」
「分かったって」
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