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ー天使ー117

「頑張りぃやぁ! その時は俺が弁当でも作って行くしなぁ。弁当の中身は何がええ?」 「うーとね……。ハンバーグにおにぎりにー! あっ、お子様ランチがいいなぁ!」 「そうやな……琉斗のはお子様ランチ風弁当にしてやるな!」 「何だか運動会が楽しみになってきたなぁ!」 「せやな。みんな来るし、弁当もお子様ランチやし、余計に頑張らなアカンな!」 「うん!」  琉斗は運動会がすごく楽しみになったのか、朝食ができるまでお遊戯の練習を繰り返していた。  それから、望たちは朝食を終えると、望の車で琉斗を幼稚園に送り、その後、望は雄介を職場まで送っていった。  そして、いよいよ美里の手術日当日となる。  朝から琉斗は望と一緒に病院に来ていたが、まだ雄介の姿は病院にはなかった。すでに時刻は朝の十時を回っていたが、雄介はまだ仕事が終わっていないらしい。  望と和也、それに琉斗は美里の病室にいた。病室ではテレビがついていて、この辺りで事故があったというニュースを流していた。  中継は春坂市上空からヘリコプターで撮影されたもので、どうやら春坂市近辺で大きな事故が起きたらしい。 「えっ? 春坂市で事故!?」  一番最初に声を上げたのは和也だった。 「な、まさか……雄介がここに来ないのって、この事故現場に行ってるからじゃねぇの?」 「どうだろう? でもさ、前に一度こんなことがあったよな。俺の誕生日の時に事故があって、その時は単に報告書とか花とか買ってただけだったって言ってたけど……」 「それで遅くなったって言ってたけど、今日はどうなんだろうな?」 「前と一緒なんじゃねぇの?」  望は楽観的に考えようとしていたが、その時、美里が急に口を開いた。 「この事故……雄介の仕事中に起きたみたいよ」  その一言に、和也と望は目を丸くした。  望が珍しく前向きに意見を言っていたのは、美里が目の前にいるからだ。今日は美里が手術を控えているため、雄介のことで心配をかけたくないという思いがあった。しかし、そんな美里が自らその話題に触れてしまったのだった。

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