1588 / 2073

ー天使ー137

「ほな、何食いに行く?」 「そうだなぁ? お前が決めていいぜ……」 「せやなぁ? ほんなら、ラーメンとかは?」 「別に俺は構わねぇんだけど、車停めるとかがあるラーメン屋ってあるか?」 「そんなのチェーン店ならいくらでもあるんと違う?」 「お前が知ってるとこなら、ラーメンでもいいぜ」 「ほなら、そうしよ」  雄介が車を走らせていると、道沿いに駐車場が付いているラーメン屋が見えてくる。 「あっこでええかなぁ?」 「ああ、そうだな。雄介がそう言うんだったらな」  雄介が駐車場に車を停めると、何故か見覚えがある車があることに気付く。 「あれ、和也の車と違うか?」 「あー、そうかもしれねぇな。今時、青のスポーツカーとあんまり見ないからな。後はナンバーが一致すれば間違いなく和也なんだろうけどよ」 「せやな。でも、さっき別れたばっかりなのに和也の奴、早いやっちゃなぁ」 「俺達が出た後に直ぐに出たんじゃねぇの?和也の場合、ラーメン屋がある場所位は知ってるだろうからさぁ」 「せやなっ!」  雄介は和也の車であろう車の隣りに車を停めると、二人は車を降りてラーメン屋の中へと入って行く。  すると、やはり望達が予想した通りというのであろうか、カウンター席で一人雑誌を読みながら、ラーメンが出てくるのを待っている和也の姿があった。 「よ! 和也……また、会ったなぁ。」  雄介にいきなり声を掛けられ、顔を上げる和也。 「へ? 雄介? 何で、お前等までここに?」 「夕食、どないしよう? って思っててな……そしたら、俺が無性にラーメンが食いたくなって、夕食はラーメンになったんや」  雄介は和也の隣りへと腰を下ろすと、望も雄介の隣りへと腰を下ろす。 「そうだったのか。望達にしては珍しいんじゃね? ラーメン屋に来るとか。ほら、望って、ラーメンとか食わなそうなイメージがあるしよー」 「俺もそう思うとったんやけど、望がラーメンでええっていうから来たって訳や」 「あのなぁ、別に俺だって、ラーメン位食うっつーの……別に嫌いでもないしな」 「そっか……そうだよなぁ? ま、俺が言うのもなんだけどさ、何か頼めよ……俺は既に頼んでるからさ」

ともだちにシェアしよう!