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ー天使ー148
まずは組対抗の綱引きが始まる。
望達も琉斗に押され、この競技には参加することになった。
琉斗は美里の前に座り、雄介達のことを応援し始める。
最初は年中組の保護者達が綱引きに参加し、それが終わると、いよいよ望達の出番である。
「俺、一番後ろに行くし、望達は前の方におった方がええで……」
何故だか急に雄介は気合いが入ったのか、望達を前の方に連れて行くと、雄介は一番後ろへと向かうのだ。
そう、綱引きとは一番力がありそうな人物が一番後ろで引っ張った方がいいのだから。
相手の組もそれを知っているのであろうか。相手の組もがたいが良い人が一番後ろに立っていた。
そして笛の音と共に競技が始まり、最初は引っ張られていた雄介達のチームだったのだが、相手のチームは最初だけだったのか、途中からは雄介達の組が綱を引き、最終的には雄介達がいる組が勝つ。
相手の組は、きっと雄介のようには持久力がなかったのかもしれない。
雄介が席へと戻ると、琉斗は雄介の足へとしがみつく。
「やっぱ、雄介おじちゃん凄ーい!」
「これ位、なんてことはないわぁ」
「次は借り物競争だからね!」
「分かっておるってー」
雄介は綱引きで自信を持てたのか、次に出ることになっている借り物競争へと気合いを入れる。
そして雄介は入場門へと向かい、いよいよ最後の競技である借り物競争が行われる。
次から次へと保護者が走っていく中、雄介の番になると、雄介はさっき琉斗からのエールもあってか、最初から飛ばし、借り物競争のメインである洗濯バサミに付いている紙を取る。
それを見た瞬間、急に眉を上げるのだ。
そこには、
『好きな人を借りてきて下さい』
と書いてあった。
一瞬、雄介は望のことを思い浮かべたのだが、流石に望を連れて行くことはできないだろう。
雄介は和也達が居るシートに行くと、琉斗のことを抱き上げ、肩車をして再び走り、ゴールへと向かうのだ。
運動に関しては流石、現役のレスキュー隊員だけあるのであろう。琉斗を連れたまま、トップでゴールテープを切ったのだった。
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