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ー決心ー49

「ホンマにどないする? このまま歩夢が居ると信じて、突っ込むしかないんやろうか?」 「だが、その方法だと、もし歩夢がこの病院にいなかった場合、俺たちは住居不法侵入で捕まるかもしれないというリスクを背負うことになるよなぁ?」 「ま、そういうことになるな……だけど、もし歩夢がこの病院内に居れば、相手は誘拐という罪を犯してるんやから、俺らは正当防衛ってな訳で捕まらんのやけど」 「車だけあって、歩夢だけが移動させられたという可能性もあるしさ」  二人は歩きながら、やっとのことで緊急用入口を見つけた。しかし、その前で立ち止まり、そびえ立つ病院を見上げるしかない状態だ。  その時、望の携帯が胸のポケットで鳴る。  望は携帯を取り出し、画面を確認すると溜息を漏らす。電話の相手が和也だったからだ。 『なんだよ。溜息漏らさなくてもいいだろ? 今、俺も歩夢のことを探してやってるんだしさぁ。ま、まぁ……それは置いておいてだな。とりあえず、こっちの倉庫内を全部見たけど、やっぱり誰もいる気配はなかったよ』 「そうだったのか……分かった」 『とりあえず、俺もそっちに合流するからよ。ちょっと待っててくれねぇか?』 「待ってるのは全然構わないんだけどよ。こっちは親父の知り合いの病院にどうやって中に入ろうかと迷ってたところだしさ……」 『そっか……確かに、どうやって中に入るか? だよなぁ』  和也は車に乗り込みながら、病院内に入る方法を考え始める。 『病院内で歩夢を探すためのただの時間稼ぎにしかならねぇかもしれねぇけどさ……もし病院内に入って警備員や看護師に「危篤の親が居て病院から呼び出された」とでも言ったらいいんじゃねぇの? ただの時間稼ぎって言ったのは、犯人の仲間がその看護師とかの中に居た場合、歩夢のことを探しに来たとバレたらアウトってことな』 「そうだな……まずは、それで行くしかないな。ま、最初の難関は警備員だよな? もし警備員が奴等と仲間だった場合、その時点で病院内に入れなくなるしよ」  二人は和也と連絡を取りながら、次の行動を決める。緊張感が漂う中、それぞれの役割を胸に刻み、慎重に進む準備を整えるのだった。

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