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ー決心ー70
「あ、まぁ……それくらいなら俺にも決められそうだなぁ。そうだよな! 二人で同じのにするんだったら、一緒に決めた方がいいもんな」
「そうやなぁ、その方がええやろ? ほんなら、望はデザイン決めて、俺が機能とか見るわ」
「ああ、分かった」
望も楽しそうに頷き、二人で携帯を選び始めた。
まずデザイン重視で探す望。望は普段、細かいデザインにこだわるタイプではないが、機種変するなら前とは少し違うデザインや色がいいと感じているようだ。今使っている携帯が白なので、違う色にしたいと考えているのだろう。
「なぁ、雄介……これなんかどうだ?」
望が手に取ったのは、いわゆるスマートフォンで、画面をタッチして操作するタイプのものだった。
「んー、それでもええねんけどな……タッチパネルはめんどいからなぁ……」
雄介はそう言うと、その携帯の特性について説明し始めた。
「あー、確かに。お前の言う通り、この携帯はちょっと面倒くさいかもな」
「せやから、タッチパネルとボタンが両方ついとるやつがええんと違ゃう? 今はそういう機種も出てるし」
「んー、確かに。じゃあ、タッチパネルはやめて、前と似た感じのやつにするよ。やっぱボタンの方が操作が楽そうだしな」
「ほなら、スライド系、折りたたみ系、ストレート系のどれかになるな」
「……って、今はそんな種類があるのか? 俺が知ってるのは、折りたたみ系とストレート系くらいだけどなぁ」
「せやね。昔はストレート系が多かったけど、最近はその三種類が主流みたいやな」
「そうなんだ。けど、やっぱり折りたたみ系の方が使いやすそうだよな」
「まぁ、俺もそう思うで。今のところ、折りたたみのが扱いやすいわ」
「じゃあ、折りたたみ系にするか……」
二人は携帯を手に取りながら、楽しそうに相談を続けた。望にとっては知らないことだらけの話題でも、雄介が親切に説明してくれるため、自然と笑顔になる。これこそがデートの醍醐味なのだろう。些細なことでも二人で選び、共有する喜び。それが、普段の忙しさから解放される特別なひとときとなっているようだ。
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