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ー決心ー129

 とりあえず雄介は望からGパンを受け取ると、試着室へと消えて行った。  望はその間、試着室の前でぼんやりと待っていた。  ふと、望は思い出す。  まさか雄介が医学部に受かるとは思ってもいなかったことだ。  確かに一緒に働けるのは嬉しいことなのだが、どこか複雑な気分でもあった。  果たして雄介と一緒に働くようになった時、冷静に仕事ができるのか、自信が持てなかったからだ。  以前、雄介が「今日はコスプレしてやろっ!」と言った時のことを思い出す。あの時、雄介の白衣姿を見て、望は胸を高鳴らせたことがあった。  そんなことを考えていると、どうやら雄介が試着室から出てきたようで、 「どや? 似合っとるか?」  望はいきなり声を掛けられ、雄介の方へと顔を向ける。下から上へと視線を向けて、 「あ、ああ……いいんじゃね?」  と普通に答えたものの、雄介は背が高いだけあって何でも似合う。改めて雄介の格好良さを思い知らされる気がした。 「後は上着かぁ? どんなのがええと思う?」  雄介は望に選んでもらったGパンを手に取りながら、店内を歩き始めた。  きょろきょろと辺りを見渡していると、さっき望が言っていた通り、どうやらこの店で売っている服を望も着ているのだろうと思われる服が目に入った。 「ホンマ……望、ここの服屋を利用しとったんやな」 「だから、それはさっき言っただろうがぁ」 「ま、そうなんやけど。服を見てて思ったんや。そういやぁ、望はこんな服を着ておったなってな」  雄介のその言葉に、望はまたため息を漏らし、 「気付くのが遅い……」 「だから、それはスマンってー。それより、上着はどないのがええ?」 「お前はがたいがいいからな。ポロシャツとかの方がいいんじゃね? 下は黒だから……上は白とか……」 「望がそう言うんやったら、そうするかなぁ?」  雄介は洋服を手に取り、レジへと向かった。 「ちょっと待てよ。洋服屋に行こうって言い出したのは俺だし、今日は俺が出すよ」 「ええって……まだ余裕あるし、今日は自分で出すわぁ」 「今はいいかもしれねぇが……後が辛くなるだろ? それに、お前が働けるようになってから、俺に服を買ってくれればいいからさ」

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