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ー決心ー130

「そっか……それなら、そうさせてもらうわぁ」  雄介はそう微笑むと、会計を望に任せた。  二人は駐車場へ向かい、今度は夕飯の材料を買うためにスーパーへと向かう。 「ほんで、今日の夕飯は何にするん?」  どうやら雄介は、望が作ってくれる料理を楽しみにしているようだ。笑顔で望の方を向きながら聞いている。 「だから、俺はあんま料理したことねぇんだから、期待すんなって言ってんだろ。前に一回、オムライス作ったくらいしかできねぇんだよ。あとはインスタントしかな」 「……へ? それホンマなん?」 「なんだよー、その不服そうな顔は……。仕方ねぇだろ。お前がいない時はコンビニ弁当暮らしだったんだからさ」 「んや……望が作ってくれるんやったら、不服ではないんやけどな。んー、インスタントなぁ、インスタントはアカンって……」 「早くて簡単に作れるんだから仕方ねぇだろ。仕事上、時間が無いんだからさ。雄介だって、いずれインスタント暮らしになるかもしれねぇぞ。あ、ならないんだったな。お前は病院じゃなく診療所から始めるんだもんな。でも、研修医になった頃には病院で働かなきゃならねぇし、どんだけ忙しいか分かるだろ。下手すると食ってる暇もないかもしれないぜ。まぁ、雄介が研修医をやる頃には親父に頼んで、一緒に仕事させてもらうようにするつもりだし、夜勤も一緒にやるからよ。いや、むしろ、その頃には俺も研修医と同じ仕事をさせてもらうように頼むかなぁ? 診療所を開く前に親父に『全部の科を覚えろ』って言われてたしさ」 「そうやったんか。ほな、俺も全部覚えなきゃアカンということか?」 「あ、いや……それはいいよ。お前は自分が得意になりそうな科をまず探せ。それで、お前の得意分野で患者さんを診てもらうからさ」 「分かったわぁ。ほな、頑張らないとアカンな! 望もやで!」 「ああ、分かってる……。一応、俺は診療所の院長って立場になるだろうから、ミスは出来ねぇしな。それに、絶対に患者さんを死なせたくねぇし」 「そりゃそうやんな! 俺の方も患者さんを死なせんような医者にならなきゃアカンよな!」

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