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ー平和ー8

 それから和也達はスーパーへと寄ると、買い物を済ませ望の家へと向かう。  駐車場に車を止め、久しぶりに来た望の家を見上げる裕実と和也。  三年以上前とは何だか雰囲気が違うのは気のせいであろうか。いや、気のせいではないのかもしれない。  三年以上前は和也達が来ると、一階の電気は点いて雄介が料理を作っているいい匂いが漂っていたのだが、今は電気が点いているのは雄介と望の部屋だけで、一階部分は誰もいない気配も無ければ電気も点いていない状態だ。 「話には聞いていたけど……本当に今は雄介と望は一緒にご飯も食べてないんだな」  と和也は改めて口にする。 「まぁ、そういうことだ。たまにご飯は出来てるんだけどさ、今はほとんどコンビニ弁当で済ますようになっちまったからな」  望は話をしながら家の鍵を開けると、また静過ぎる雰囲気に和也と裕実は驚かせる。  前までは望が帰宅すると、雄介が笑顔で玄関まで迎えに来ていたのに、今はそれさえもない。  いつから、この二人の間にこんなすれ違いな生活が始まったのであろうか。  そりゃ、恋人と一緒に住んでいるのにも関わらず、望が毎日のように溜め息を漏らす理由が分かったような気がする。  望は家に入ると、リビングへと向かい電気を点ける。 そして一応、和也達をリビングへと誘導すると、着替えるために部屋を出て行こうとしていた望に裕実は声を掛ける。 「僕達も着いて行かなくて大丈夫ですか」 「多分、大丈夫だから……。裕実や和也達が来てるって言えば、流石の雄介も降りて来るだろうからな」 「そうですね。雄介さんなら僕達が来てると分かっていれば、どんなに忙しくても顔を出して下さりますしね」 「ああ」  望は笑顔で答えると、雄介が居る二階へと向かう。  一方、雄介の方は学校から帰宅してからもパソコンと向き合っているようだ。  望が部屋に入って来ても雄介は望に笑顔を向けることなく、パソコンに向かい続けている。  そんな雄介に望は溜め息を漏らすと、 「雄介……あのさ……」

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