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ー平和ー18

 望のことをこのまま寝かせてあげたいという気持ちは山々だったが、せっかく和也たちのおかげで普段の自分を取り戻すことができたのだから、今、望との関係を修復しなければ、次の機会がいつになるかわからないと思ったのだろう。雄介は一旦心を落ち着かせると、望の体を軽く揺すりながら名前を呼び、起こした。  誰かに起こされていることに気付いた望は、ゆっくりと瞼を開け、雄介を見上げる。 「ん? 雄介……?」  望はまだ目覚めたばかりで何も思い出していないのか、ぼんやりと雄介の顔を見上げている。 「疲れておるのかもしれへんのやけど……ちょっと話があるんやけど、ええかな?」  その雄介の言葉に、望は雄介が何を言いたいのか思い出したのだろう。まだ眠たそうな目を擦りながら、ベッドの上に座り直した。 「ホンマ、今までごめんな。忙しいって言葉だけで、望のことを忘れておったっちゅうんか……同じ屋根の下で暮らしているっちゅう安心感があったというんか……俺が今まで恋人としての望のことをほったらかしにしてて、本当にスマン!」  雄介は自分の顔の前で手を合わせ、同時に望に向かって頭を下げた。 「今、和也たちと話してて気付いたんやわぁ。同じ屋根の下で暮らしてるからって、恋人のことをほったらかしにするのはアカンって思い知らされた。あと、和也に勉強とかでわからんことがあるんなら、望に聞いた方がええんじゃないかって言われたんやけど、望に聞いてよかったんか?」  雄介は申し訳なさそうにそう尋ねた。  そんな雄介に、望はふと雄介の方を見上げ、 「ああ、いい……。確かに俺も『忙しい』っていう雰囲気を出して、雄介が何も聞けないような状況を作ってたのかもしれないからな」 「でも、実際に望の方も忙しいんやろ?」 「まぁ、確かに忙しいは忙しいんだけどさ……」  望はそこまで言うと顔を俯かせ、言葉を詰まらせてしまう。  そんな望の様子に気付いた雄介は、優しく口を開いた。 「なぁ、望……言いたいことがあるんなら、ハッキリ言うてくれへんか。やっぱ、俺は望と会話できへん方が辛いし……」  その雄介の言葉に、望は顔を雄介の方へ向け、

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