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ー平和ー31

 和也は掃除を終わらせると、どうやら朔望に興味があるらしく、人懐っこい性格のまま朔望の対面にあるソファへと座った。 「本当に吉良さんって、望にホント似てるよな?」 「えーと、和也さんだっけ?」  きっと朔望は、望の父親である裕二から望の周りのことを色々聞いているのだろう。すぐに和也の名前を出してきたのだから。 「とりあえず、僕のことは朔望でいいよ」 「分かった。じゃあ俺のことも和也でいいからな。ところでさ、朔望って、望と一緒なら目悪いんじゃねぇの?」  よほど気になっていたのか、和也が朔望に対して最初にした質問は、それだった。 「まぁ、確かに僕は目が悪いよ。だから、眼鏡ではなくコンタクトにしてる。それはね、小児科医だからなんだ。小児科って主に子供を扱うだろ? 中には眼鏡に慣れてなくて怖がる子もいるし、それにもし一緒に遊んでいるときに眼鏡を取られて壊されたら、僕も困るし、子供たちが怪我をしないようにって思って、今はほとんどコンタクトにしてるんだよね」 「なるほどねぇ。朔望もそこまで考えて仕事してるんだ」 「仕事に関しては一応真面目に働いてるつもりだけど……」 「って、突っ込んだ質問していいか?」  望と同じ年なら和也とも同じ年だ。すでに和也はいつもの口調で朔望に話し始めている。 「突っ込んだって?」 「今、朔望は『仕事には真面目』って言っただろ? じゃあ、プライベートでは真面目じゃないってことじゃねぇのか?」  朔望は和也の言葉に口先で笑い、 「和也は、やっぱり話に聞いていただけあるよねぇ。そりゃ、歩夢が和也に苦戦するわけだ。仕事以外は……ね……。じゃあ、僕がある有名な男性ばかり集まる場所に通ってる人物だって言ったら、どうする?」  その言葉に和也は目を丸くした。さすがの和也も、朔望が言ったその場所を知らないわけではない。  その有名な場所というのは、和也も裕実も何度か行ったことがある、ゲイバーやその手の人たちが集まるエリアだ。いろいろな店が並んでいて、もちろん玩具やローションも普通に売っている。もはや和也たちは常連と言っても過言ではない場所である。

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