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ー平和ー39
「そうやったん?」
「まぁ、口調が若干違うかな? って感じかな?」
「ほんで、和也はどこでその望の双子の弟に会ったん?」
「それが……病院でだな。望んとこの兄弟はみんな医者になってるみたいだからな。それで、朔望は小児科医なんだってよ。朔望には昼休みに会ったんだけどな。それで……」
和也は雄介の方に身を乗り出すと、
「またかーって思うかもしれないけどさぁ、朔望も望のことが好きだって言ってたんだよ! ホント、いい加減にして欲しいよなぁ、望の兄弟にはさ」
「確かに、またか……やな。でも、朔望は望にまだ手を出しては来ないんやろ?」
「まぁ、今のところはな……って言った方がいいかな? 今日会えたのだって、奇跡みたいなもんなんだからよ。休憩中にちょっと話しただけで、帰り際に少し話をしたくらいだしな。まぁ、半分、望が追い出しただけなんだけどさ」
「それで、今日の夕飯は一緒に食べようって言ったんか?」
「そうだな。望から雄介に朔望に会ったことなんか、絶対に言わなさそうだったしよ」
「それはねぇから!」
いきなり望が声を上げた。
その言葉に、雄介と和也は目を丸くする。だって、今までただ聞いていただけの望が急に声を上げたのだから。
和也は軽く笑いながら言った。
「やっぱり、望って変わったな。前より素直になった気がするしよ。まぁ、ただ、俺にだけは素直じゃないって言った方がいいかな?」
その言葉に、今度目を丸くしたのは望だった。
「それは意識してるか、意識してないかは分からないけどさ。裕実の誘いにはすぐ承諾するし、雄介にはちゃんと言うことは言うみたいだしよ」
すると、今度は裕実が口を開いた。
「和也、あんまり望さんのこといじめないでくださいよー。望さんが困ってしまうじゃないですかぁ」
「分かったって……」
「和也がそんなことを言うから、望さんが和也に素直にならない理由の一つだと思いますよ」
「分かったって……」
和也は軽くため息を吐くと、珍しく顔を俯かせた。
「まぁ、まぁ……とりあえず飯食おうか? ホンマに肉なんて久しぶりやしなぁ」
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