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ー平和ー49

「せやな……。確かに、今は前よりのんびりした時間を過ごしてる気がするわ。消防士時代って、毎日のように命の危機を味わっとったしな。ホンマ、望には心配ばっかりかけてたけど……今はホント、穏やかな時間があるって実感してるわ」 「じゃあ、仕事辞めて良かったってことか?」 「そうやな。そないなこと、今まで気付きもせんかった。こんな風にのんびりできる日が来るなんて思いもせんかったし。もし望や和也、裕実に会ってへんかったら、俺はもうこの世におらんかったかもしれん……。出会いってホンマ、運命やと思うわ」 「ホントだよなぁ。日本に一億五千万人も人がいる中で、こうして出会えたんだから、奇跡みたいなもんだよ」 「そういうことやな。しかも、こんな仲のええ友達がおるってのは、ホンマにありがたいことやわ」 「僕もそう思いますよ。雄介さんたちに出会えたおかげで、今があるんですから。過去のことが嘘みたいに思えるくらい、幸せです!」 「へぇー、和也と裕実ってあんまり喧嘩しないのか?」 「望にそう聞かれるとは思わなかったぜー。まぁ、そこはいいとして……俺たちは基本、喧嘩しねぇよ。お互いのこと、よく分かってるしな」 「でも、お互い分かり過ぎるのもアカンやろ。この前、俺たちみたいになんで……」 「雄介は優しすぎなんだよ。前に姉さんにも言われてただろ?『押しが弱い』ってさぁ。雄介がもっと望に対して積極的にいってりゃ、前みたいなことにはならなかったんじゃねぇの?『望が忙しそうだったから声をかけられなかった』って、そんなんじゃダメだろ。もし声をかけてたら、何年も行き違う生活にならなかったはずだぜ」 「確かにそうやんなぁ。ホンマ、忠告もらってたのに気付けへんかったのがアカンわ」 「だろ?それに、望の性格からして、望から雄介に声をかけることは少ないんだから、雄介が動かなきゃダメなんだよ」 「せやな……でもな、最近は望から色々と言ってくれることもあるんやで」  その言葉に和也が反応し、身を乗り出す。 「例えば、どんなことを言ってくれるんだ?」

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