1798 / 2073

ー平和ー65

 雄介はリモコンを使って曲を選曲していたのだが、携帯が鳴っていることに気付き携帯を開くのだ。  すると、そこには目を疑いたくなるようなことが書かれていた。  そして雄介は和也が今歌っているのにも関わらず演奏停止ボタンを押すと、 「ったく……なんだよー、人が気持ち良く歌ってたのにさぁ、いきなり切るなよなぁ。 まだ、終わる時間じゃねぇだろ?」  その雄介の行動に文句を漏らす和也だが、次の雄介の言葉に顔を青ざめるのだった。 「和也! カラオケ止めや! 止め! 今、望からメールがあってな! ま、とりあえず、メールの内容を把握してっ!」  雄介は和也に携帯を渡すと、望からのメールを読み始める。 『今、俺達は事件に巻き込まれている。 場所は駅前にある銀行。 携帯は犯人達に取られていて今は朔望が持っていた予備用の携帯からメールしてる。 詳しくは助かった時に話す』  と書かれていた。 「雄介! テレビ点けて!」  和也は雄介に携帯を返すと、雄介は携帯に付いているテレビを点ける。 「ちょっー、待っててや……テレビが点くまでちょっと時間掛かるし……」  和也は何故、雄介にテレビを点けるように言ったのかと言えば、和也の携帯にはテレビが付いていないからだ。 そう今の携帯はほとんどがテレビが付いているのだが、和也は必要は無いと思いテレビ付きのにはしなかったのだから。 テレビよりかその他の機能を重視したようだ。  雄介がテレビを点けると、今はどのチャンネルも銀行強盗のニュースが放送されていた。  その時、丁度、カメラはガラス越しに見える銀行内部を写していて、望と裕実、そして朔望の姿が和也と雄介の目に飛び込んで来る。  それを目にした二人は本当に望達は銀行強盗の人質になっているのだということが分かった。 「和也! 切り上げて、事件現場に向かうでっ!」 「ああ! 当たり前じゃねぇか!」  二人はまだ時間ではないのだが、切り上げて望達が居る銀行へと向かう。  だが和也達がその銀行に向かっても、ただ見ているだけで望達の事を見守ってる事しか出来ないのだが。

ともだちにシェアしよう!