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ー平和ー66

 メールの送信をし終えた望は溜め息を吐く。  犯人に見つからず、メールを送信出来たことに安心したようだ。  しかし、まだ犯人達は動く気配もなく人質達を解放する気配もない。  多分、犯人達の要求が通ってないのであろう。  それから十分後。  銀行内にある電話が鳴り響く。  警察達が犯人達の要求が通ったことを連絡してきたのかもしれない。  犯人達は電話を終えると、人質が集められている場所へと向かい、 「俺達の要求は通った。 だが、俺達が無事に出る為には、俺達と行動する人質が必要だ。 誰か一人を俺達と行動する仲間の一人にする。 一人を選んだ後、全員解放するからな」  犯人の一人がそう言うと、周りがざわめき始める。  そりゃあ、誰も人質にはなりたくはないに決まっているのだから、騒ぎ始めるのも無理はない。  今、ここに居る人質は約三十名程居る。 誰だって、その中のたった一人には選ばれたくはないであろう。  人質がざわめく中、犯人は低い声で一人の若い女性を持っていた拳銃で差す。 「お前だ!」 「嫌よ! 何で、私がっ!」  と騒ぐ女性だが、犯人は無理矢理その女性の手首を掴み、立ち上がらせ自分の方へと引き寄せる。 「止めて! 私じゃなくて他の人達だって居るでしょ! 何で、私一人だけなのよっ!」  そう女性は抵抗するものの犯人は解放する訳もないようで、半分無理矢理その女性を引き寄せるのだ。  そんな時、ある人物が立ち上がると、 「あのさぁ、確かに、女性はか弱くて扱いやすいかもしれないけど、そんな女性を連れて行くなんて卑怯だと思うよ。 ま、それだけ、君達が弱いってことか……。 だってさぁ、男性だと力じゃ負ける可能性がある訳じゃない? だけど、女性なら力で負かせることが出来る。 ってところかな?」  そう朔望は犯人を挑発するような言葉を使って言ってるようにも思える。 「卑怯……?」  そんな言葉に反応しない訳がないだろう。 犯人は朔望のことを睨み付けると、 「お前……いい度胸してるな?」  朔望は溜め息を漏らし視線を犯人の方へと、向け再び刺激的な言葉を漏らすのだ。 「だって、そうでしょう? 僕はそのまんまのことを言っただけ。 外国じゃ、そんな卑怯なマネはしてないよ。 とりあえず、僕が言いたいのは、その女性より僕を人質にはいかがかな? って事なんだけどな」

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