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ー平和ー81
そう明るく言う和也だが、逆に焦ってきているのであろう。
和也の性格上、こういう時は逆に明るく振る舞うのだから。
雄介はそんな和也に微笑むことしかできない。普段の姿であれば、全然和也の話に乗るのだが、こんな時は雄介もふざけていられない性格なのだろう。
雄介は軽く息を吐き、窓の外を眺める。
確かに望の方は大丈夫そうなのだが、やはり数年来の友人が事件に巻き込まれているのだから、心配しないわけにはいかない。しかも、いまだに見つかっていないのだから。
この春坂に来て、雄介も数年が経つ。しかし、たった数年では土地勘があるわけでもなく、確かに"仲良し公園"だけでは何かの決め手に欠ける。
突然、雄介は顔を上げ、
「な、なぁ! 今、望からのメールで思ったんやけど……。俺はこの春坂に来て、そんなに春坂市内を巡ったことないから、色々な場所は分からんのやけどな……望やったら、どうやろ?もしかしたら、分かるかもしれへんで!」
「あー! そうだったな……望は生まれた時からこの春坂に住んでるんだから、その公園の名前を聞けば分かるかもしれねぇよな?」
「ほな、望にメールしてみるな!」
「あ、ああ!」
少し希望が見えてきたのか、雄介は早速望にメールを送ると、数分もしないうちに望から返事が来た。
『その場所だったら分かる。今はあんまり行かない場所だけど、保育園がその公園の近くだったからな。和也に伝えておいてくれ。"仲良し公園"ではダメかもしれねぇが……俺が通っていた"春坂保育園"なら出てくるかもしれねぇし、住所も覚えているから、住所を入力すれば春坂保育園の近くにその仲良し公園があると思うからさ』
望からのメールに、雄介は和也にその場所を伝える。どうやらナビに春坂保育園が登録されていたようだ。
和也は早速、その場所へと向かう。
すると、確かに望の言う通り、春坂保育園の少し手前にその仲良し公園があった。
「仲良し公園はあったけど……後はこの住宅の中から、裕実たちの居場所を見つけなきゃならないんだよなぁ?」
「まぁ、そうなんやけどな」
ここまでは確かにどうにかたどり着けた和也たちだが、この辺りは本当に住宅地で、どの家に裕実たちがいるのか全く検討がつかない。
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