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ー平和ー82
さっきまで暮れかけていた太陽も一日の仕事を終え、今は完全に陽が落ちてしまっている。
周りは住宅地で明かりが灯り、街灯も点いているため見えるのだが、朔望たちからのメールでは家の特徴までは書いていなかった。
むしろ今は部屋の中にいるのだから、現在いる家の色や特徴的なことは分からないのかもしれない。
和也たちは仲良し公園まではたどり着けたものの、そこから動けずにいた。
その時、和也は車の中で大声を上げる。
「あー! なんだよー! 忘れてたぜー。何も悩む必要はなかったよな。ここまでは望にサポートしてもらったけど……ここからは朔望たちと連絡を取ればいいだけじゃねぇのか!」
「あ、ああ! 確かにそうやんなぁ! ほんなら、和也、朔望にメールして……」
「あ、ああ! そうだな」
和也は朔望にメールを送る。
『今、俺たちは"仲良し公園"まで来てる。そこまでは来れたんだけどさ。ここら辺って住宅地だろ?だから、今朔望たちがいる場所が分かれば助けに行けるかもしれねぇんだけど……。何か家の特徴とか……あ! 目の前にある家の特徴とか、その家の名字とか分からないかな?』
そう和也が送ると、朔望からメールの返事が届いた。
『そうだね……目の前にある家は屋根の色が青色で、名前はかろうじて見えるけど……"赤坂"だと思うよ』
メールにはそう書かれていた。
「確か、仲良し公園の看板が見えるって言っていたから、今は左手に仲良し公園の看板がある。ということは、ここから右の道に入った住宅の中に"赤坂"って名前があれば、その前の家に裕実たちがいるってわけだ」
「それはええねんけど……そっから、どうするん? やっぱ、そこはもう警察に連絡した方がええと思うねんけどな」
「逆にこの住宅地に警察なんかが大勢で来たりしたら、犯人たちは警戒するんじゃないのか? それに、警察が来て、犯人たちに銃でもぶっ放される可能性もあるわけだし」
「そないな事言ったら、俺らの方も危険やろ? 相手は銃を持ってるわけやしな」
ここまで和也たちは来たのはいいが、警察を待つべきか、それとも犯人たちのいる場所に向かい危険を冒すべきかの判断を迫られていた。
下手をすれば、自分たちの恋人たちの前で命を落としかねない。どうせなら、みんな無事に帰ることがベストなのだから。
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