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ー平和ー85
「そっか……確かに、何人もと闘うのは無理だけど、人数が減っていれば裕実たちを助けられる確率が高くなるわけだ」
「ま、早く裕実たちにメール入れて、犯人たちの人数を把握した方がええかもな。いつアイツらが帰ってくるか分からへんし」
和也は雄介に笑顔を向けると、
「それはもう大丈夫! 朔望の携帯にメールしといたからさ。そしたら、強盗犯の人数は四人だって書いてあったぜ」
「つーことは……今、部屋の中におる人数は二人っちゅうことになるんやな。二人だけやったら、どうにかなりそうな気がすんねんけどなぁ」
「確かに、二人だけならな。犯人たちの今の人数は二人になったかもしれねぇが、もし犯人たちの誰かが武道に長けてる奴がいたら……ヤバいんじゃねぇのか?」
「ああ、まぁな。せやから、もう警察呼んでおいた方がええんやない?」
「そうだな……そうしとくか……」
和也は警察に報告すると、
「なぁ、和也……ダンボールかなんかあらへんか?」
「そっか……運送屋を装うんだったら、ちょっとした小道具が必要だもんな。待てよ……確か、キャップもあったはずなんだよなぁ」
和也は後部座席の方へ体を乗り出し、キャップと畳まれた小さなダンボールを取り出す。
「とりあえず、これで大丈夫か?」
「まぁ、とりあえずはな……」 「雄介……本当に大丈夫かよ?」
「大丈夫やって……」
「もしかして、雄介って本当は勉強と同じで強いのも隠してるんじゃねぇのか?」
「いや……流石に武道は学生の頃に授業でやっただけで、ホンマにやったことないから」
「いや、もし強いんなら、逆に隠さないで欲しいんだ! 強いなら強いってハッキリ言ってくれた方が俺たちも安心できるしさ」
その和也の言葉に雄介は少し考えると、
「ホンマにホンマ……武道は学校の授業でやっただけで、強いかどうかは分からへんけど、ま、それを見て柔道部の奴らが入部してくれとは言われたことあんねんけど……やらんかったしなぁ」
和也はその雄介の言葉に再び転けそうになる。
「まぁ、雄介は一応強いってわけだ」
「それを認めない……勉強と一緒で、能ある鷹は爪を隠すタイプみたいだね。雄兄さんは……」
「そういうことだな」
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