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ー平和ー99

 それを見ていた朔望は、 「兄さん、足は完璧に治ったみたいだね……」  そう冷静な判断をしたようだ。 「足!?」  それを聞いていた和也は急に足を止めてしまったせいか、追い掛けていた望は和也の背中へとぶつかる。 「まったく、急に止まるなよなぁ。 痛いじゃねぇか……」 「って、俺、別に悪いことしてねぇのに、何で望に追い掛けられなきゃなんねぇんだよー」  そう和也は拗ねたように言うのだ。 「それは……足が完璧に治ったか、確かめたかっただけだったりー」  望にしてはお茶目なことを言うと、 「おいおい……それだけの理由で俺に無駄な体力使わせたのかよ」  そう和也はそこまで言うと、望に向かい反撃のように顔をにやけさせる。 「っていうことはー、そんだけ動けるようになったんだから、退院祝いに今夜辺り、雄介にお前から仕掛けた方がいいんじゃねぇのか?」  和也のその言葉に、流石の望も顔を真っ赤にさせ動揺し、 「そ、それとは関係ねぇだろうがぁ」 「関係大ありだよな」  和也は今度、同意を求める為に朔望の隣へと向かい、朔望の肩へと腕を回す。 「和也の話によると……最近は忙しかった二人はかなりのご無沙汰な訳で、しかも、兄さんは足を怪我して入院していた訳だから、更にご無沙汰……そして、雄介さんは押しが弱いっていう話だから、そりゃ、今日は兄さんから雄介さんに仕掛けた方がいいんじゃない?」  いったい和也はどこまで朔望に望と雄介の関係を話したのであろうか。 それは分からないのだが、どうやら和也は朔望に沢山のことを話したようだ。  望は和也のことを睨むと、 「お前なぁ、朔望にどこまで俺と雄介のこと話したんだよー」 「……へ? 朔望にはそんなに話してねぇよ。 ただ、朔望がいっぱい質問してきたから俺はそれに答えただけだし」 「後は兄さんが記憶喪失になった話も聞いたー。 とりあえず、兄さんに関する和也が知っている範囲では聞いたけどね。 まぁ、和也も兄さんのことが好きだったって話も聞いたけど……。 しかし兄さんって、愛されるタイプみたいなんだね」

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