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ー希望ー19

「ま、いいか……。和也がお前にそれを言わないのは、話が長くなるからだと思うぜ」 「ま、そういうことにしといて」 「しかし、珍しいメンツだよな……しかも、みんな恋人持ちか」 「それもだけどさぁ、雄介も望も来た訳だし、どうせなら雄介の就職祝いしようぜ」 「それでも俺は構わないぜ」 「それなら、乾杯といきますか!」 「乾杯って……みんな車持ちだし、明日もあるし、歩夢はまだ二十歳前だろうし、裕実は飲めないし、後、本宮さんは?」  望はそこまで言うと、実琴の方へと視線を向ける。 「僕は飲めませんよ」 「ってな訳だから、酒は無しでの乾杯だな」 「ジュースで乾杯か……なんかそれも寂しいけど、仕方ねぇか……」  和也は全員に何を注文するのかを聞くと、全員分の注文を頭に入れ、電話で注文を頼む。  どうやら和也は大人数でいると仕切りたがりらしい。 「ま、酒はダメでも今はノンアルコールのカクテルとかがあるからな……それで一応、乾杯か?」 「そういうことだな」  和也が頼んだ全員分の飲み物が揃うと、和也は立ち上がり、 「とりあえず、雄介の就職祝いに乾杯!」  そう言うと、そこに居た全員が腕を天井へと向かい上げ、軽くグラスを叩く。 「しかし、兄弟って、よくよく見ると似てるんだな。実琴と裕実も似てるし、望んとこも似てるしさ」 「和也はそんな二人が好きになったんやろ? 和也のタイプの子って、こないな感じの子が好きなんやねぇ」 「って、違うって!」 「何が違ゃうん?」 「だから、実琴は実琴からだったし……裕実は俺が好きなんだし、なんつーのかなぁ? だから、俺のタイプって断定は出来ねぇじゃねぇか」 「せやけど、また、似たような人を好きになってるやんけ」 「あー、まぁ……だけど……望は違うじゃんかー。だから、実琴や裕実が俺のタイプとは限らねぇじゃねぇか? じゃあ、雄介のタイプはどんな人だよー」 「そりゃあ、望に決まっとるやんかー」 「そういう意味じゃなくてさ……。そりゃ、そこは望に決まってるだろ?」

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