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ー希望ー20
「んー……それは分からんなぁ、タイプって言われてもな……だって、望は一目惚れだったしな」
そんな和也と雄介の間で聞かされている望は、その会話を聞いた途端に飲んでいた飲み物を吹き出してしまっていた。
そして若干顔を赤くしながら、
「お前等なぁ!そんなことをここで話すなよなぁ」
「って、こういう場だからこそ話すんじゃねぇの?」
「確かに和也の言う通りなんかもな……逆に仕事場じゃこういう話出来んしな」
やはり和也達の言う通りなのかもしれない。望はその言葉に仕方なさそうに溜め息を漏らす。
そして和也は何かが気になったのであろうか、突如、話題を変え今度はコソコソと小さな声で、
「な、今日は新城も居るしさ、前から気になっていたことを新城に聞いてみたいんだけど……」
「ん? なんやねんそれ?」
「前にさぁ、新城が引き抜きの話を俺に持ち込んできたことがあっただろ? あの時は確かに望の親父さんが仕組んだことだって聞いていたけど……。あの場では親父さんにもっと詳しく聞けなかったじゃねぇか……だからさ、新城に詳しく聞けねぇかなぁ? って思ったんだけど……」
「って、和也さぁ、そう言うけど……今日はどういう風の吹き回しで、新城達と一緒の席にしたんだ? 確か、お前、アイツのこと嫌いだったよな?」
「それか? ま、まずは最初に俺達は朔望達と駐車場で会って、一緒に食べるかって話になって……それで、そこで話してたら、丁度、新城達も来て、で、朔望に新城も春坂病院で働いている医者だってことを話をしたら、話してみたいってことになってさぁ、後は、実琴も居たからたまには実琴と裕実で会話させて上げるのもいいかな? って思ったんだよ。だって、実琴と裕実は兄弟だろ? やっぱ、何年も離れて暮らしていた訳だし、何年分の話もあるだろうしな……ってな訳で新城達とも合流したって訳」
「そういうことか。で、お前は新城にそれを聞きたいのか?」
「んー、確かにその話をもっと詳しく聞ければ、新城を警戒することもなくなるような気がするんだよな」
「なら、お前から聞いてみたらいいんじゃね? 別に俺は気になってねぇし……雄介はそんなに関係なかったことだしな」
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